年齢を重ねるにつれ増えてくる白髪の悩み。頭頂部や顔周りなど目立つところに白く光る毛を見つけると気になりますよね。現代でもなお白髪をなくすことは難しいとされていますが、からだの中から健康になることも髪の若々しさに直結しています。
そこで今回は、髪と地肌のアンチエイジングのために日頃から摂りたい食材&栄養について紹介します。
その名のとおり、髪の色が白または灰白色に変化するというのが白髪。髪に色を与えているのはメラニン色素ですが、白髪になるのは、毛根の中にあるメラノサイト(色素形成細胞)の働きが低下してメラニン色素がつくられなくなったり、色素が毛髪組織のもととなる毛母細胞に受け渡されなくなるから。
ちなみに、黒い髪が途中から白髪になることはまれ。通常は始めから白髪として生えてくることから、白髪化は髪が生え替わるときに起こると考えられています。メラノサイトの機能低下の原因はよくわかっていませんが、大きくは以下のとおり。
他に、薬の副作用や栄養状態の不良、高熱、代謝障害などが挙げられます。
残念ながら白髪を予防する成分というのは解明されていませんが、髪をつくり出す細胞である毛母細胞と毛乳頭細胞は、からだの中でとても活動が活発な細胞!
十分な栄養や酸素を必要としているため、バランスのよい食生活を送るよう気を配りたいものです。髪や地肌によいと言われるものとしては、以下のようなものが。
毛髪のもととなるもので、髪と地肌の健康のために不可欠。魚や肉を摂らない生活が続くと、髪も肌も栄養不足に。青魚は血液のめぐりをよくする点でも◎。
亜鉛は髪の主成分であるアミノ酸の合成に必要となる成分。銅は、アミノ酸の一種であるチロシンから色素がつくられるときに使われます。鶏レバーや豚レバー、鰻の蒲焼き、ホタテ貝柱などには亜鉛と銅が多く含まれています。
細胞の活動を高めるために必要。ひじきやほうれん草、あさり、枝豆などに多く含有。
頭皮の過剰な皮脂分泌を抑制するほか、毛髪の細胞をつくり、毛母細胞への栄養補給をスムーズにおこなうのに必要。マグロの赤身や豚レバー、鰻の蒲焼きなどに多い。
血行を促進して毛母細胞へ十分な栄養を行き渡らせるという重要な働きが。アボカドやアーモンド、ピーナッツ、にら、西洋かぼちゃ、玄米、ゴマなどに多く含まれます。
毛細血管を丈夫にします。柑橘類の果皮やピーマン、蕎麦などに多く含有。
髪によい食事も、まずは基本が大切。白髪対策にとどまらず、抜け毛予防も考えて、上に挙げた栄養素を意識してみましょう。
無理なダイエットや何か1つの食材だけを食べ続けるなどの極端なことをすると、頭皮が栄養不足になったりヘアサイクルが乱れたりして、抜け毛につながることも。
バランスのよい食事を取る、ストレスと上手につき合う、全身の血行をよくするために適度な運動を心掛ける、髪を生み出す土壌である頭皮の血流を促すために洗髪時はヘッドマッサージの意識を持つなど、トータルな視点から白髪を予防していきましょう。
(文・大津礼保奈)
参考文献
美容皮膚科学事典(朝田康夫/中央書院)
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