健康的なダイエット方法といえばウォーキングが挙がります。「1日1万歩」を目指し、ウォーキングに挑戦しているという方も多いでしょう。しかし実は今、この1日1万歩を目指そうという風潮が、少し変わってきているのをご存知ですか?もちろん、歩くことはからだにとってメリットがいっぱいですが、たくさん歩けば良いというものではないようです。健康を維持するための最適歩数とは、一体どのくらいなのでしょうか。
今回は、ウォーキングの最適歩数や効果的な歩き方、量より質のウォーキングがもたらす嬉しい効果についてなど、ウォーキングにまつわる新常識をご紹介します。
現代人を悩ませる生活習慣病。その要因として食生活の乱れが指摘されていますが、それ以上に大切なのが、“歩くこと”。
生活習慣病を見直し、ダイエットを始めると、血糖や血圧、コレステロール値、尿酸値なども改善されていきます。
今では、生活習慣病を改善する薬がいくつも開発されていますが、薬に頼って正常な数値に戻しても、それは健康になったということにはなりません。
根本的に健やかなからだを手に入れるには、肥満があれば痩せること。そのためには、やはりからだを動かすことが大切です。
つまり歩くことが肥満を予防し、脳梗塞やガン、認知症といったあらゆる疾病を遠ざけるカギとなるのです。
「歩くことは、健康に良い」これは紛れない事実ですが、よく巷でいわれている「1日1万歩」を目指せば良いのかというと、そういうわけではないようです。
東京健康長寿医療センター研究所の老化制御研究チーム副部長 運動科学研究室長・青柳幸利氏が、群馬県中之条町に住む65歳以上の住民5,000人を対象にした15年以上に及ぶ調査研究によると、「1日8000歩、20分の速歩き」が病気を遠ざけるウォーキングの黄金比率なのだとか。
1日1万歩が悪いわけではありませんが、歩き過ぎや運動のし過ぎは逆効果。
免疫力を下げてしまうリスクがあるそうです。歩き終わったあとや翌日に疲れが残っていれば、それは明らかにオーバーワーク。
1日8000歩・20分の速歩きを指標にして、年齢や体調に合わせて調整しながら、無理なくウォーキングを続けることが大切です。
ウォーキングは、量より質。適正な「量」がわかったら、今度は「質」を上げていきましょう。
1. 肘を後ろに引いて肩甲骨を動かす
肩甲骨まわりは、全身のなかでも筋肉が多いところ。
その大きな筋肉を動かしながら歩くことで、下半身だけでなく上半身の筋肉も使って、全身で歩くことができるようになります。
腕を軽く曲げ、肘を後ろに引くように意識すると、肩甲骨をスムーズに動かすことができます。肘がなかなか後ろに引けない場合は、ウォーキング前に肩甲骨を回すストレッチを。
2. かかとから着地する
かかとから着地し、つま先から蹴り出すように意識しましょう。
着地するときは、足の上に上半身をまっすぐ乗せることがポイント。
そうすると、着地の瞬間、頭から足までに1本の軸が通り、着地の衝撃を膝や腰だけでなく、全身で受け止めることができるようになり、歩行がスムーズになります。
3. 歩幅は全身を使って広めに
年齢を重ねるにつれて、歩幅が小さくなってしまいがち。
小股でちょこちょこ歩くよりも、やや大股で歩くほうが、全身を使って気持ちよく歩くことができ、消費カロリーもアップします。
思い立ったときにすぐできて、良い気分転換にもなるウォーキングは、いくつになっても楽しめるので、ぜひ習慣にしたいもの。
お金がかからないのも魅力ですが、自分の足にしっかりフィットする“歩くための靴”があると、より効果的でからだへの負担もかかりにくくなるのでおすすめです。
ウォーキングを楽しむためにも、ときには形から入ってみるのもいいかもしれません。
お気に入りのウォーキングシューズをゲットして、健康にもダイエットにも嬉しいウォーキングを続けていきましょう。
(文・坂井七緒美)
よくある質問