クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
浜中 聡子(はまなか さとこ)
「ずっと疲れがとれなかったけれど、ニンニク点滴をしたら回復した」
「更年期の症状がプラセンタ点滴で和らいだ」
「ビタミンC点滴をしたら肌に透明感が出てきた……」
点滴といえば、以前は緊急の病気治療に用いられる印象でしたが、最近はその捉え方にも、活用のされ方にも大きな変化が表れている様子。
しかし、病気でもないのに点滴する必要は本当にあるのでしょうか?
利用するなら、どんな場合に効果があり、何に注意するべきなのでしょうか?
ウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長に教えていただきました。
からだの中に栄養を直接補充することで、その効果を実感しやすいのが、点滴の最大のメリット。
ウィメンズヘルスクリニック東京でも、下記のようなメニューが用意されています。
・ 高濃度ビタミンC(10,000円~)
→肌のくすみが気になる方、風邪をひきやすい方に
・ プラセンタ点滴(4,000円~)
→肩こりでお悩みの方、更年期症状でお悩みの方、肌老化が気になる方に
上記のほかにも、美肌点滴(7,000円~)、疲労回復点滴(7,000円~)、不定愁訴点滴(32,000円)、免疫賦活点滴(32,000円)などがあります。
「患者さんの状態を診て医師が判断し、数種類の有効成分をカクテル(ブレンド)して提供しています」(浜中先生) ※費用には別途、診察料などがかかります。価格は税別です。
平均すると30分~1時間程度の短い時間で、肌のケアや体調改善が期待できますが、医師の診断で病名がつかない状態、つまり疲労回復や美容目的の点滴は保険が適用されません。
これが、病気の治療として行う点滴との一番の違いといえます。
身近な存在となり、即効性があるとなれば「定期的なメンテナンスとして点滴を取り入れたい」と考える方は少なくないはず。
とくに、日々を忙しく過ごしていて、セルフでのスキンケアに時間がかけられない方ほど、点滴に対する思いは強くなるかもしれません。
しかし、このような考えについて浜中先生は注意を促しています。
「確かに点滴を救世主のように捉える方もいらっしゃいますが、点滴は薬に例えるなら“頓服”のような存在。
飲み薬より即効性があるため、いざというときは頼りになりますが、依存するのは避けるべき」
(浜中先生)
点滴で、その場をしのぐことができても、疲労が積もれば大病を招く恐れもあり、不規則な生活や偏った食生活は生活習慣病にも繋がります。
「疲労が溜まっているのであれば、その場しのぎの点滴でごまかすのではなく、生活全般を見直し、自身のからだを大切にすることが先決」といいます。
疲労回復や美容効果を目的におこなう点滴が身近になったことで、保険適用外でもトライしやすくなったのも事実。
ですが、健康オタクのような方の中には、数軒のクリニックを渡り歩くようなケースがなきにしもあらず。
「点滴の組み合わせなどで重篤になるというのは基本的に考えられませんが、必要以上の頻繁な利用は止めるべき。点滴に頼り過ぎるのは危険」(浜中先生)
体質改善や美肌づくりは食生活を含む生活習慣全般に気を配らなければならず、時間も忍耐力も必要になります。
手軽で即効な点滴に頼りたくなる気持もわかりますが、「成功に近道はなし」と浜中先生は語ります。
真の心身の健康は、日々の積み重ねでしか得られないと心得ましょう。 (文・川原好恵)
この記事の監修
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
日本抗加齢医学会専門医/日本精神神経学会専門医・指導医
浜中 聡子(はまなか さとこ)
2000年 北里大学医学部卒業後、北里大学東病院精神神経科にて勤務
2001年 北里大学病院救命救急センターにて勤務
2002年 亀田総合病院精神科にて勤務
2006年 北里大学大学院医療系研究科 臨床医学群精神科学修了。国際医療福祉大学熱海病院精神科の講師を務める
2007年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2009年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2017年 Dクリニック東京ウィメンズ(旧ウィメンズヘルスクリニック東京)の院長に就任
2009年10月 AACクリニック銀座院長
2020年11月 クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ)院長に就任
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