リゾートホテル『星のや 軽井沢』に指圧のゴッドハンドがいる! というのは、スパ通の間では有名な話。その施術を受けるのが目的で、ホテルを予約する人もいるほどなのです。もちろん私もそのひとり♪
施術者のお名前は舟田勝幸(ふなだ かつゆき)さん。星のやスパ専属で、あんま、マッサージ指圧師、鍼灸国家資格を所持。施術歴20年の技は、本格的な治療効果とリラックス効果のバランスが絶妙。既存の指圧では味わえない満足感を得られるのです。
その舟田さんに、パソコン作業による首や肩、目の疲れを軽減する、とっても簡単なストレッチを3つ教えてもらったので、ご紹介いたしましょう。実演してくださったのは、星のや 軽井沢 スパユニット ディレクター 市瀬暦(いちせ こよみ)さんです。
まず1つ目。デスクワークが長いと、頭が前のめりになり、首や肩、背中にかけて広がる僧帽筋(そうぼうきん)が凝ってしまうのです。この広い筋肉をストレッチするのは『ラジオ体操 第一』のいちばん最初にある、腕を頭上に向かって大きく上げて、ゆっくりと降ろす動作。このとき、一緒に深呼吸するのがポイントです。腕を上げるときに、ゆっくり空気を吸い込み、降ろすときに、ゆっくりと吐く。たったこれだけ!
「通常、深呼吸というと、腹式呼吸だと思われますが、この体操では胸式呼吸で行います。空気を吸って胸を膨らませることで、胸郭(きょうかく)自体も膨らみ、腕も動かすことで、肩と首、背中の筋肉全体を同時にストレッチすることができるのです」(舟田さん)
2つ目は、デスクワークの人に多い、肩の巻き込み。肩が少し前にいってしまった状態です。猫背の結果、そうなってしまい、胸の筋肉を締め付けるのです。これを解消するのは、キレイな立ち姿になること。
「まっすぐ正面を向いて立ち、手のひらだけ前に向けるのです。こうすると、肩の関節がスムーズに開き、巻き込みが解消しやすい状態に。さらに、アゴを軽く引きましょう。頭が前のめりになっている状態だと、首の後ろの緊張感が強いわけです。アゴを引くことで、首の前側の筋肉も同時に働くので、良好なバランスに」(舟田さん)
3つ目は眼精疲労を解消する、まぶたのストレッチ。目を開けた状態から、ゆっくりと閉じ、次にギューっと強く閉じます。それからゆっくり目を開いて、目だけ動かして上を見ます。この繰り返し。
「パソコンを凝視していると、瞬きの回数が減ります。すると、まぶたの筋肉ばかり使われることに。閉じることで、目の下の筋肉も使い、開くことでストレッチ効果が。また、目をギューっと閉じると、涙腺が刺激されます。4~5秒強く閉じていると、涙がじんわり出てくるので、目の乾きも緩和してくれますから。3つのストレッチは、回数や時間に決まりはありません。心地いいと思う感覚でストレッチしてください」(舟田さん)
3つのストレッチは、日常生活の動作の中で、簡単に実行できるものばかり。ストレッチのための特別な時間や場所、器具が必要ないのは便利ですね。複雑なストレッチでは続かない方が多い、というのが舟田さんの見解。だから、どんなに忙しい方でも、面倒臭がり屋さんでも、続けられる3つのストレッチはとてもオススメ。ぜひ試してみてください。
取材・文/美容ジャーナリスト 藤田麻弥
【プロフィール】
女性誌や会員誌、Webにて、美容と健康に関する記事を執筆。化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンスのある情報を伝えるため、日本抗加齢医学会や日本香粧品学会を始め、多くの学会やセミナーを聴講。自身もアンチエイジングに関するセミナーの企画・コーディネートを務める。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研パブリッシング)がある。
【最近のハマリもの!】
肌や目が乾きやすいこの季節。デスクに加湿器を置くが無理なので、濡らして軽く絞ったハンドタオルを、空のマグカップの上に被せるという応急措置を。これだけでも、肌や目の乾きがずいぶんラクになるのです。
よくある質問