山田 朱織(やまだ しゅおり)
夜時間が増えるこの季節。ですが、年末に向けて忙しさが加速し、睡眠時間が不足しがちになる時期でもあります。疲れを翌日に残さないためにもいい睡眠を目指したいものです。そこで、今月はオリジナル枕開発などで今までになかった着眼点で睡眠姿勢を研究・指導されている16号整形外科院長の山田朱織先生に目からウロコの睡眠のコツについて伺ってみました!
睡眠は本来、体や脳を休めるためにあります。目覚めたらすっきり、前の日の疲れを回復できているのが理想です。ですが最近、「朝起きると首や腰が痛い……」とか「頭が重くて起きるのがつらい」、「朝起きるときが一番疲れている気がする」という声は少なくありません。
これは、首から問題が起きていることが多いのです。人間は、直立歩行するために、約4~6㎏もの頭を首で支えています。かなり過酷な労働をしているのと同じです。この首が休める環境なのが睡眠なのです。ですが、寝ているときに、首を支える枕が合わないと、首が休んで疲れを解消できないので、朝起きても不調が現れてしまうわけです。
この首に適正な枕は、高すぎても低すぎても、枕なしでもよくありません。
まずは、自分に合った枕を選ぶことで、首に疲れを残さない、深く快適な睡眠を取れるように工夫してみましょう。
合わない枕を使っている実感がない人でも実際には合っていない枕を使っていることが多いので、次にご紹介する手作り枕を一度試してみるといいでしょう。自分に本当に合う枕の高さがわかるので、実際に今使っている枕の問題点も見えてくるからです。
用意するものは、玄関マット、それとタオルケットです。玄関マットは毛足が短くて裏地がついたもので60×90㎝ぐらいがいいでしょう。
①まず、玄関マットは三つ折り(じゃばら折り)にします。
②玄関マットの上に、端を揃えて、めくれるようにじゃばらに折り畳んだタオルケットを重ねます。このとき、四つ角首側はきちんと直角になるように重ねるのがポイント。
③横になったときに、自分の首の根元までが折りたたんだマットに当たるようにして、寝ます。
④次に、タオルケットを1枚1枚めくりながら、自分に合った高さに調節します。 全身の力を抜いて横向きになったときに、顔の中心線が布団と平行になるように調節します。枕が高すぎても低すぎても平行にはならないので、鏡や家族にチェックしてもらうなどで1枚ずつめくりながら調節していきます。
⑤平行になったら仰向けに寝て、のどや首筋などに違和感や圧迫感がなく、後頭部がリラックスできているかをチェックします。
⑥最後に、両手を胸の前でクロスして、両ひざを立てます。左右にコロコロとスムーズな寝返りが打てればOKです。
ただ、手作り枕は強度が弱いので、そのままずっと使い続ける場合は、寝るたびに高さをチェックし直すなどのメンテナンスをしてあげましょう。
この記事の監修
山田 朱織(やまだ しゅおり)
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