医療法人社団ウェルエイジング 理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
小林 一広(こばやし かずひろ)
10代や20代前半で「薄毛が始まっているかも!」と悩んでいる人が増えています。その心配を解消するには、薄毛の正しい知識を知ることが大事です。そこで、今回は意外と知らない薄毛の常識・非常識を発毛クリニックの専門医、小林一広先生に伺いました。
10代~20代前半で薄毛を気にしている人の多くは、シャンプーや髪をとかしたあと、朝起きて枕についた抜け毛の量を見て「薄毛なのかも!!」と心配してしまうようです。
でも、髪は常に生えて抜る“ヘアサイクル”を繰り返しています。日本人の成人であれば、1日平均50~100本は抜けると言われています。また、季節によっても抜ける量は微妙に違って、秋から冬にかけては少し増えると言われています。
私たちの髪の毛は平均10万本ものの毛が生えています。ですから、多少の抜け毛は問題ないのです。また、季節によっても抜け毛は変わります。四季の中でもっとも抜け毛が多いのは、秋から冬にかけての時季だと言われています。
頭皮の毛穴にひしが詰まると毛が抜ける、と思い、毛穴に詰まった皮脂を落とそうと強い刺激のシャンプーを使ったり、頭皮をゴシゴシと刺激してシャンプーしている人が10代~20代前半には多いようです。でも、頭皮の皮脂を取る=薄毛予防は、間違った情報です。適度な皮脂は、頭皮にうるおいを与えて、頭皮環境を整えてくれます。また、間違ったシャンプーで皮脂を取りすぎると、頭皮を守ろうとして皮脂分泌は逆に盛んになってしまうことも。特に、10代は代謝が活発で皮脂分泌も多いことから過剰なシャンプーをしているケースが少なくありません。将来、薄毛にならないためにも頭皮にやさしい髪の洗い方をマスターすることが必要です。
父親が薄毛だと「将来、心配」と思っている人も少なくないはずです。AGA(男性型脱毛症)は遺伝すると言われていますが、どの遺伝子が原因なのか、はっきりと解明されているわけではありません。ですが最近、AGAの人は男性ホルモン(アンドロゲン)の受容体遺伝子に共通の特徴があるということがわかってきました。この遺伝子はX染色体という性染色体で母親から受け継がれるので、母方のおじいちゃんの頭を見れば自分の将来の髪型が予想できるのかもしれません。
また、父親が薄毛の場合は、薄毛になりやすい生活習慣が似る可能性があるので、父親のよくない生活習慣は真似しないように心がけることも大事です。
次回は、10代の人に多い、シャンプーの勘違いを解説します!
この記事の監修
医療法人社団ウェルエイジング 理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
精神保健指定医
小林 一広(こばやし かずひろ)
北里大学医学部卒業。
同大学病院にてメンタルヘルスを中心とする医療に従事する。
その後、医療社団法人ウェルエイジングを設立。
頭髪治療専門の城西クリニックを東京及び福岡に開院すると共に『AACクリニック銀座』を2006年3月に開院。
理事長として従事する傍ら、精神科医としての経験を生かし、積極的に心身両面からの治療に取組んでいる。
1991年3月 北里大学医学部 卒業
1991年6月 北里大学病院 精神神経科
1993年6月 埼玉県立精神保健総合センター医員
1995年5月 北里大学東病院 精神神経科 病棟医
1997年4月 北里大学 医学部精神神経科研究員
1999年7月 医療法人社団 城西クリニック開設
2014年6月 医療法人社団 Dクリニック東京 メンズ 開設
2021年1月 医療法人社団 Dクリニック東京 メンズの理事長に就任
現在に至る
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