聖マリアンナ医科大学 特任教授
井上 肇(いのうえ はじめ)
定期的に活用している人も多いサプリメント。ですが、実は効果的な飲み方、使い方があることをご存じですか? そこで、9月はサプリメントの有効な使い方について、考えてみましょう。初回のテーマは、「サプリメントは、いつ、どんな時に飲むのが有効なのか?」です。
サプリメントは正確に言うと「栄養補助食品」という位置に属します。薬ではないので、体に起こっている病気を治療するためのものではありません。体調が悪いのにサプリメントでどうにかしようと思う人がいますが、それは間違いです。
サプリメントの正しい使い方は、「体力がないとき」、「食事が思うように摂れず栄養補給がうまくいっていないとき」、「仕事や運動がハードで消耗してしまっているとき」などに、サプリメントで栄養を補助・補完してあげるのはとても有効です。
不調を治療して治すではなく、よりいい状態にバックアップしてくれるのがサプリメントの本来の位置なのです。
忙しい仕事。夜はスマホやPCと遅くまで起きている毎日。さらに、時間短縮にと昼間はどんぶり物ご飯に、夜はコンビニご飯なんてことをしていると、疲労は溜まっているのに栄養不足になっていることも。食べているのに、栄養バランスが乱れて疲れが取れないという人も少なくありません。そういった人には、サプリメントはオススメです。不足しがちなビタミンやミネラルを補うことで、摂取した食物を効率よくエネルギーに変換できるので疲労回復を補助してくれる作用があります。
病気ではないけれど、なかなか疲れが取れない、きちんと食事が摂れていないと感じる人はサプリメントを生活に加えてみてもいいでしょう。
また、「サプリメントを服用したらかえって体調が悪くなっちゃった! きっと足りないのだと思うので、さらに別なサプリメントを併せて服用した方が良いのでしょうか?」と質問がくることがあります。その場合は、最初に服用したサプリメントを一旦中止して様子を見ましょう。サプリメントが身体にあっていない可能性があります。
この記事の監修
聖マリアンナ医科大学 特任教授
日本臨床薬理学会 認定薬剤師/日本臨床薬理学会 指導薬剤師
井上 肇(いのうえ はじめ)
星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学・形成外科学教室内幹細胞再生医学(アンファー寄附)講座 特任教授及び講座代表。幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病の予防医学的研究、アンチエイジング研究を展開している。
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