椎名 由紀
前回のレッスンで、きちんとした呼吸ができる“仙骨”を立てて座るレッスンをご紹介しました。忘れてしまった人は、もう一度、座り方を復習してから始めてください。この座り方ができるようになったら、ついに“腹式呼吸”そのもののレッスンに入っていきます。でも、最初から本格的な腹式呼吸は少しハードルが高いので、坐禅などで行われる『数息観』という呼吸法を『ZEN呼吸法』で今話題を集める呼吸アドバイザー椎名由紀さんがレクチャーします!
「ここまで腹式呼吸の重要性についてお話してきましたが、腹式呼吸そのもののやり方はお伝えしませんでした。それには理由があります。きちんとした腹式呼吸はできているつもりでもできてないことが非常に多い。胸式呼吸が身についてしまっているとなかなかうまくいかないことが多いわけです。ですから、段階を追って少しずつお伝えして、自分のペースで進んでいただければと思っています。
今回は、『数息観』という呼吸法を用いて、腹式呼吸を行います。数息観は坐禅でも使われる呼吸法です。「ひとーー」、「ふたーー」と本来は1~10まで心の中で数えますが、腹式呼吸の練習のため、声に出して呼吸を行います。呼吸は不思議なことに声を出すと自然と腹式呼吸になるのです。
「前回、イスに座るときの仙骨を立て方をレクチャーしました。今回は、椅子よりも床に座ったほうが坐禅のイメージがつかみやすいという人は、前回の座り方を参考に床であぐら座りをしてください。
最初は、声を出しながら「ひとーーー」と息を吐き、「つ」で息を吸って、1~10までゆっくりと数えていきます。息を吸うときの「つ」は声に出なくても大丈夫です。声に出すと自然に腹式呼吸になりますが、「つ」の吸うときに、胸式呼吸になってしまうことが多いので、手を添えて呼吸するといいでしょう。
数える呼吸ができるようになったら、「ひとーーー」を声に出さず、ハミングのように呼吸してみましょう。これを繰り返すうちに声を出さなくても腹式呼吸ができるようになるのです。
仙骨を立てて座って、お腹に手を置いて、「ひとーーーー」と声に出しながら息を吐きます。吐いているときはお腹が凹んでいることを確認しましょう。息を吐いたら、次は「つ」で息を吸って、「ひとつ」1~「とお」10まで数えます。
声を出しながら上手に数えられない人は、後頭部から首、背中を一枚の紙のようにして、45度ぐらい前傾させます。そのまま同じように呼吸をすると、上半身の力が抜けるので、腹式呼吸しやすくなります。
この記事の監修
椎名 由紀
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