椎名 由紀
呼吸は生活習慣の歪みやストレスなど、体調や心と深く密接しています。でも、多くの人は無意識で、自分がどんな呼吸をしているかわかりません。『ZEN呼吸法』で人気の呼吸アドバイザー椎名由紀さんの解説とともに、自分がどんな呼吸をしているのか、まずは確認してみましょう!
あなたが普段どんな呼吸をしているか、まずはチェックしてみましょう!
片手を胸の谷間(男性の場合は胸の中央)、もう片方の手は親指を軽くおへそにあてて、他の指は伸ばした状態でおなかにそえます。そのまま目をつぶってしばらく呼吸をしてみましょう。胸とおなかのどちらが動くか確認します。
■胸のほうが多く動いた人=緊張タイプ 常に緊張してストレスが溜まっているかも。
■おなかのほうが多く動いた人=安定タイプ 気持ちが安定し、リラックスができている
■どちらの動きも感じられない人=ストレスが溜まりかなり呼吸が浅い可能性が!!
「あなたの呼吸はどちらのタイプでしたか?
そもそも呼吸は肺という臓器を使って行っています。でも、肺は自分自身で膨らんだりしぼんだりできないので、肋間筋という胸の周りにある筋肉や横隔膜という胸とおなかを隔てる膜の力を使って、吸って吐いてという働きを行っています。呼吸には大きくわけて、胸の筋肉を多く使う“胸式呼吸”と横隔膜の力を多く使う“腹式呼吸”のふたつがあるのです」(椎名さん)
■胸式呼吸
スポーツのときや、これからプレゼンで「ヤル気を出すぞ!」というときなど、力んだとき、緊張状態にあるときに行う呼吸。上のチェックで、“緊張タイプ”になった人はこの呼吸を行っています。この呼吸は、胸、首、肩など上半身の筋肉を動かし「吸う」ことを得意としますが、吐くことは不得意なため結果として呼吸が浅くなり、それをカバーしようと、速い呼吸になるという特徴があります。スポーツや緊張、闘争など交感神経を優位にする呼吸なのです。
■腹式呼吸
横隔膜を上下に動かして行うので、肺が大きく縦に伸縮します。吐くことを得意とするため、結果として、たくさん吐けるがゆえにて酸素をたくさん取り込めます。深くゆったりとした呼吸になるため、リラックスや気持ちの安定など副交感神経を優位にする呼吸です。上のチェックで、“安定タイプ”になった人はこの呼吸を行っています。
「このふたつの呼吸はどちらがよくてどちらがダメというわけではありません。ヤル気を出すときには胸式呼吸は大事です。ですが、現代人は常に胸式呼吸になっている人がとても多くなっているのです。これではいつも緊張状態で、ストレスが溜まる一方。本来はリラックスするときには、お腹を使った腹式呼吸を行えるのが理想なのです。
とても大事な腹式呼吸ですが、“お腹を動かして呼吸する”ということ自体、体が反応しなくなっている人も少なくありません。次回は、そのファーストステップをお伝えしたいと思います。お楽しみに!」(椎名さん)
この記事の監修
椎名 由紀
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