歳を重ねると出来てくるシミやシワ、たるみといったエイジングサイン。若い頃にちゃんとケアしていれば、と、悔やまれる方も多いようです。美容医療に精通している美容ジャーナリスト曰く「顔に表れたエイジングサインを、お手入れ不足によるペナルティとして、わざわざ残して持っている必要はない」とキッパリ! 美容医療の施術で一度リセットし、それから化粧品などでシミやシワのお手入れをしていけば、表情まで輝いていきますね。
でも、美容クリニックって保険が効かなし、失敗したら怖い……と、躊躇しがち。そこで、失敗しない美容医療の受け方を、メンズヘルスクリニック東京(旧城西クリニック)で頭髪治療に携わっている森野結紫 (もりや ゆうし) 先生に伝授していただきました。頭髪のドクターがなぜ美容医療??? じつは森野先生、美容大国である韓国のソウル市内で美容外科クリニック院長を8年間も勤められた方なのです!
初めて美容医療を受けるには、抵抗のないプチ整形がいいかもしれません。プチ整形とは、メスを使わず、レーザーや注射などでの施術がメイン。韓国では、ボツリヌス菌を薄めて注射するボトックスに人気が集まっているとか。これは元々、顔面麻痺や痙攣に使われている治療。美容では、額に打って筋肉の動きを抑制することで、ある一定期間、シワをなくしていく効果があります。また、フェイスラインに打てば、顔立ちがシュッとシャープに。垂れた鼻を引き上げたり、お尻に打てばヒップアップ効果もあるのです。
「韓国では、ボトックスを打つとフォローとして、1週間後とかにもう1度診てあげます。そこでボトックスを少し足すなどの微調整を。1回で終わります、というところはどうなのかな? と私は思います。
アンチエイジングの施術として覚えておいていただきたいのが、人間の身体は急には変わらない、ということ。たった1回のレーザー治療でシワが全部なくなるとか、ハリを出すのは難しいのです。少なくとも6~7回というように回数をかけ、半年くらい続ける覚悟でいてください」(森野先生)
患者自身、施術を受ける前にいろいろ調べ、知識を蓄えておくことも重要。そうでないと、この治療もあの治療も、とお勧めされると、全部良さそうに思ってしまうからです。知識があると、ちゃんと断ることができるので。
「目を二重にしたり、アゴのラインを削るなどの外科的な施術を希望される方は、非常勤のドクターが担当でないほうがいいでしょう。非常勤とは、平たく言うとアルバイトのこと。オペの後になにかあっても、担当の非常勤ドクターだと、いない場合もありますので。 (もちろんクリニックでは他の先生が責任を持つといいますが、、、) また、オペを頼むなら、その手術を2~3年経験し、何百もの症例を経験しているドクターがいいと思います。しかし、ドクターは症例数を教えてくれない場合も。そうなると、クチコミなどをご自分で調査し、判断基準にしてください」(森野先生)
森野先生は、技術に自信がついたのは500例を越えた2年目くらいだったとか。
「しかし、エイジングケアのためには、まずは健康な身体になってください。睡眠は最低でも6時間はとるように。お年を召されて眠れない方以外は、十分な睡眠が必要です。さらに適度の筋トレをして脂肪が燃えやすく太り難い身体づくりを。オペで脂肪吸引しても、オペをした部分の脂肪細胞数が減るだけで、また太るような環境になれば、残った脂肪細胞が大きくなり、肥満になってしまうので。
規則正しい生活をおくることも大切。人体は一定のリズムを持っています。リズムが崩れると、例えば自律神経に影響が出て、便秘になったり胃の調子が悪くなったりします。
スキンケアでは保湿とUVカットを欠かさずに。韓国女性は顔だけでなく、手にもUVカットを塗ることが日常になっています。それほど美意識が高いと思います。」(森野先生)
美容医療でも日常のエイジングケアでも、たった1回で美しくなることはありません。美容医療で美しくリセットできたら、シミやシワをつくりにくい身体になるよう、美意識を高めていきましょうね!
取材・文/美容ジャーナリスト 藤田麻弥
【プロフィール】
女性誌や会員誌、Webにて、美容と健康に関する記事を執筆。化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンスのある情報を伝えるため、日本抗加齢医学会や日本香粧品学会を始め、多くの学会やセミナーを聴講。自身もアンチエイジングに関するセミナーの企画・コーディネートを務める。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研パブリッシング)がある。
【最近のハマリもの!】
露地物のいちじくが美味しい季節なので、よくサラダに和えて食べています。いちじくは不老長寿の果実と呼ばれているとか。ポリフェノールや整腸作用のあるペクチンが豊富で、身体の中からキレイになれる感じがします。
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