“目ヂカラ”という言葉が、女性誌など多くのメディアを席巻し、デカ目効果のメイクテクがたくさん紹介されている昨今。しかし、瞳そのものがつくる目ヂカラの方法は、あまり伝えられていないようです。加齢により、どうしても濁りやすくなる瞳をいつまでも輝かせるコツ、眼科専門医に訊いてみました。
教えてくださったのは、瞳美容という新たなジャンルを確立なさっている大倉萬佐子先生。ちょうど、先生のセミナー(講談社ヘルス&ビューティー・レビュー)を美容ジャーナリストである私が企画・コーディネートしましたので、その模様を画像でお伝えしつつ、輝く瞳のつくりかたをレクチャーいたしましょう。
瞳がキレイ=白目がクリアで美しい、というのが前提ですね。しかし、瞼裂斑(けんれつはん)といって、白目の一部が盛り上がり、シミのように黄色く濁ってしまう病気があるのです。男女比率では女性の疾患率がやや高い様子。「瞼裂斑は変性した異常物質の沈着で、加齢とともに患者さんも増加するといわれています」(大倉先生)
また、翼状片(よくじょうへん)は、白目から黒目にかけて、翼のような膜が覆ってくる病気。黒目の上まで伸びてきて目立つようになると、美容上でも問題になることがあります。
「瞼裂斑や翼状片は、加齢やコンタクトレンズ使用時の慢性刺激のほか、紫外線暴露との関係が深いともいわれています。炎症を起こして充血することもあり、そうなると見た目的にも気する方がいらっしゃいます」(大倉先生)
皮膚がこすれると、その部分が厚くなるのと同じように、目も長年刺激を受けると、結膜の皮の細胞が増殖し、盛り上がってきてしまうという説も。大倉先生によると、瞼裂斑も翼状片も特殊な病気ではなく、加齢によってよく見られる疾患だといいます。
しかし、少しのシミでも気になるのは、肌も目も同じこと。あまりに大きくなった場合は、手術で取ることも可能ですが、まずは予防を徹底しましょう。ツバの広い帽子をかぶる、UVカットサングラスやUVカットコンタクトレンズで、目にも紫外線対策を! まぶたをこすらないことも重要です。
また、女性の場合、メイクが刺激になっていることも……。ファンデーションやアイカラーの粉が目に入らないようにし、過度に盛ったアイメイクは避けましょう。アレルギー反応を起こし、目が充血していても、アイメイクせずにはいられないという女性も多いようです。けれど、今現在の目ヂカラだけでなく、いつもまで輝く瞳を保つためには、アイメイクをお休みする勇気を持ってくださいね。
取材・文/美容ジャーナリスト 藤田麻弥
【プロフィール】
女性誌や会員誌、Webにて、美容と健康に関する記事を執筆。化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンスのある情報を伝えるため、日本抗加齢医学会や日本香粧品学会を始め、多くの学会やセミナーを聴講。自身もアンチエイジングに関するセミナーの企画・コーディネートを務める。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研パブリッシング)がある。
【最近のハマリもの!】
露地物のいちじくが美味しい季節なので、よくサラダに和えて食べています。いちじくは不老長寿の果実と呼ばれているとか。ポリフェノールや整腸作用のあるペクチンが豊富で、身体の中からキレイになれる感じがします。
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