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たびたび起こる動悸や息切れは、一体何のサイン?

たびたび起こる動悸や息切れは、一体何のサイン?

知久 正明

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長

知久 正明(ちく・まさあき)

動悸は、自分の心臓の拍動をいつもより強く感じたり、早く感じたりする症状です。

息切れは、酸素が足りなくて、呼吸が速くなりすぎたときに感じる症状です。激しい運動をしたわけではないのに動悸や息切れを感じると、何か病気が潜んでいるのではないかと不安になってしまうこともあるでしょう。

今回は動悸と息切れの原因や対策についてご紹介します。

動悸と息切れの関係性は?

まずは動悸と息切れが同時に起こりやすい理由を解説します。

動悸や息切れが起こりやすいシーンといえば、スポーツや階段の上り下りなどで体を動かしたときです。急いで階段を上ったり運動したりすると、筋肉内で酸素が大量に消費されるため、私たちの体内から酸素が不足した状態が脳の呼吸中枢である延髄に伝わり、呼吸が速くなりすぎると息切れが起こります。

また、全身に酸素を運ぼうと、心臓が速く活発に動きすぎると動悸が発生するのです。

精神的なストレスも動悸や息切れの原因に

しかし、激しく体を動かしていないにもかかわらず動悸や息切れが起こることもあります。

この場合は、精神的なストレスが原因の可能性があります。精神的なストレスが蓄積されることでストレスホルモンが増加したり、自律神経が乱れて不安に感じたりすると酸素が不足しているように“錯覚”してしまい、動悸や息切れが生じるのです。

あくまでも酸素が不足しているように“錯覚”しているだけなので、呼吸が速くなると酸素を取り込みすぎて過換気症候群に陥ってしまうことがあります。過換気症候群とは、体が過呼吸の状態になることでさまざま症状が出る状態です。

女性の場合は貧血や妊娠が関係することも

女性の場合は、妊娠や貧血によって動悸や息切れを感じやすくなることがあります。

妊娠初期は女性ホルモンの乱れや精神的不安、妊娠後期は循環血液量が増加することによる動悸や母体の酸素の低下が息切れの原因であると考えられます。

また酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンの生成が減少して貧血状態になると、全身に酸素を届ける量が減ってしまいます。それによって体内から酸素が不足して、動悸や息切れなどの症状が現れるのです。

その他にも、動悸や息切れの原因には以下のようなものが考えられます。

運動不足

普段から運動をしていないと、体を動かした際にスムーズに筋肉に酸素を運ぶことができず、動悸や息切れが起こりやすくなることがあります。

高血圧、糖尿病

血圧が高くなることで心臓疾患が発症したり、糖尿病によって動脈硬化等が発症したりすると、動悸や息切れが起こりやすくなります。

更年期障害

更年期障害の症状でもあるホルモンバランスの乱れや情緒不安定が、動悸や息切れの原因になることがあります。

食後

食後は胃に血液が集中するため、全身から酸素が不足しがちです。それによって、食後に動悸や息切れを感じやすくなることがあります。

不整脈や心不全との関係は?

心不全や不整脈が原因で、動悸や息切れが発生している可能性があります。

不整脈とは、心臓の拍動リズムが不規則になった状態です。不整脈は加齢、高血圧、肥満、ストレス、睡眠不足等によって起こりやすくなるといわれています。 心不全は、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に必要十分な血液を送ることができない状態です。 不整脈や心不全は、日常生活に支障をきたしたり、最悪の場合は突然死を招いたりするケースもあるので十分に注意しましょう。

動悸、息切れに伴い頭痛や吐き気が出る理由

ストレス等によって自律神経が乱れると、めまい、冷や汗、貧血、頭痛などの症状がでる場合があります。また自律神経の乱れによって消化器官が弱ってしまうと、下痢や吐き気などを感じることもあります。

動悸や息切れが直接これらの症状を引き起こすわけではありませんが、動悸や息切れの原因である自律神経の乱れが、さまざまな症状を引き起こしてしまうのです。

動悸、息切れが出た場合の対処法は?

動悸や息切れが気になる場合は、市販の漢方薬を試してみても良いでしょう。動悸や息切れを抑える漢方薬には、心臓をゆっくり・もしくは強く動かす効果が期待できます。

市販の漢方薬で症状が治まったとしても、何度も動悸や息切れを感じたり症状が継続したりするようであれば、一度クリニックを受診して精査するのがおすすめです。

内科、循環器科、呼吸器科を標榜しているクリニックを受診しましょう。ストレスが動悸や息切れの原因となっている場合は、心療内科や精神科にて治療を行うケースもあります。

適度な運動とストレス解消が重要

適度な運動とストレス解消が重要

もし動悸や息切れが起こった場合は、まずは深呼吸をして呼吸を整えましょう。

そして、普段からよく運動することが大切です。運動によって心臓や肺を健康に保つことができますし、運動不足による動悸や息切れの予防にもつながります。さらに質の良い睡眠を十分にとって、自律神経を整えるように心がけてください。ストレスも自律神経の乱れを招くので、リフレッシュの時間を適度に設けたりストレスの原因を除去したりすることで、ストレスの少ない生活を送りましょう。

 

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知久 正明

この記事の監修

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長

医学博士

知久 正明(ちく・まさあき)

東京都出身、1994年日本大学医学部卒業、2000年日本大学医学部大学院修了

国立甲府病院、国立循環器病センター、日本大学医学部循環器内科、敬愛病院付属クリニック院長を経て、
2017年12月からMCS東京銀座クリニックを開業

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