聖マリアンナ医科大学 特任教授
井上 肇(いのうえ はじめ)
美肌=コラーゲンやビタミンCと思っている人が多いようですが、美肌を作る栄養素はそれだけではありません。コラーゲンやビタミンCと並んで、美肌作りに欠かせない、“ビタミンA”についてお伝えしましょう。
肌はたんぱく質でできているので、 肉や魚、大豆製品、卵や乳製品といったたんぱく質摂取は必須です。さらに1回目でお話したように、そのたんぱく質の合成(特にコラーゲン)に欠かせないのがビタミンCです。このふたつは美肌作りの代表的な栄養素ですが、それ以外にもうひとつ、欠かせないのが、「ビタミンA」です。
欠乏症になると夜盲症になってしまう、大切なビタミンです。その昔は、肝油として小学校の給食の時に食べた人もいるのでは?このビタミンAは、皮膚の粘膜を強くする働きも持っています。肌荒れを予防し、肌のキメなどを整えるのにも欠かせない栄養素なのです。
ビタミンAを多く含んでいるのは、にんじん、ほうれんそう、かぼちゃ、小松菜などの野菜と鶏レバーやうなぎといった食材です。
そうか! にんじんを食べればいいんだと、そのままポリポリ食べても実は吸収力はあまりよくありません。ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、効率よく摂取するには、油といっしょに摂るのがポイントです。
油炒め煮したり、サラダならオメガ3系の油(亜麻仁油、しそ油、えごま油、グルーンナッツオイルなど)使ったドレッシングなどを作っていっしょに食べるといいでしょう。
また、ビタミンAは注意点があります。肌にいいとこればかり食べてしまうと過剰摂取になってしまうことも。
脂溶性ビタミンは、過剰摂取はNG。といってもこればかり食べる、というぐらい偏らないかぎりは大丈夫です。1日1品は、ビタミンA+適量の油で調理したものを加えてみるといいでしょう。
この記事の監修
聖マリアンナ医科大学 特任教授
日本臨床薬理学会 認定薬剤師/日本臨床薬理学会 指導薬剤師
井上 肇(いのうえ はじめ)
星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学・形成外科学教室内幹細胞再生医学(アンファー寄附)講座 特任教授及び講座代表。幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病の予防医学的研究、アンチエイジング研究を展開している。
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