(前回の続きです)
前回は、東洋医学での体質とオススメ食材を、チェックリストでお知らせしました。今回は、国際薬膳師の岡央知子(おかお・ともこ)さんに、体質別のオススメ食材を使った薬膳料理をつくっていただきました! そのレシピをご紹介していきましょう。
うるおいを補って秋の風邪を予防。プルプル肌も目指せます。
【材料】(2人分)
白きくらげ(銀耳) 3g
梨 1/2個
氷砂糖 10g
ハチミツ 大さじ1
クコの実 30個
【作り方】
(1) 白きくらげは水に浸して戻す。梨は皮を剥いて芯を除き、2cm角に切る。クコの実は水に浸して戻す。
(2) 水2カップを鍋に入れて沸かし、白きくらげ、氷砂糖、ハチミツを入れて柔らかくなるまで煮る。
(3) (2)に梨を入れて10分煮る。
(4) クコの実を加え、常温に冷ましてからいただく。
※ONE POINT 白きくらげは、肌や肺の乾燥に有効。美肌食材としても知られています。梨は、呼吸器をうるおわせて炎症(熱)を鎮めます。クコの実はうるおいを与える食材で、特に眼のトラブルに◎。風に当たると涙が出るようなドライアイの人にオススメ! 中華薬膳では非常にポピュラーな料理で、梨も加熱して食べます。
【材料】(2人分)
豚肩ロース薄切り肉 160g
松の実 50g
オリーブオイル 小さじ2
白ワイン 大さじ1
ハチミツ 大さじ1
アスパラガス 2本
塩・コショウ 少々
【作り方】
(1) 松の実はフライパンでこんがり乾煎りする。
(2) アスパラは筋をとり、オリーブオイルを敷いたフライパンで焼く。
(3) フライパンにオリーブオイルをしき、豚肉をのせたら片面に塩・コショウして両面焼く。
(4) 肉を取り出したら軽くフライパンの汚れを拭き、白ワイン、ハチミツを入れる。アルコールが飛んだら塩で味を調える。
(5) 皿に豚肉、アスパラを盛り付け、松の実を散らしたら(4)のソースを回しかける。
※ONE POINT 豚肉にはうるおいを補うチカラが。松の実も、豚肉と同様にうるおわすチカラのある食材で、アスパラガス、ハチミツと同様、呼吸器の乾燥による咳や、腸の乾燥による便秘に有効です。
水分代謝をよくして、むくみを解消しましょう。
【材料】(2人分)
コーン缶(クリームタイプ) 150g
カボチャ 100g
タマネギ 1/2個
ショウガ 1/2片
コンソメキューブ 1/2個
塩・コショウ 少々
【作り方】
(1) カボチャは皮つきのまま小さめのザク切りにする。タマネギは粗みじん切りに、ショウガは擦りおろす。
(2) 鍋にサラダ油をしき、タマネギを透き通るまで炒める。カボチャ、水150ccを加えてカボチャが柔らかくなるまで煮る。
(3) (2)を冷ましてからフードプロセッサーにかけ、鍋に戻したら、水100cc、コンソメ、コーンを加え、2~3分煮る。
(4) 塩・コショウで味を調え、器に盛り付けたらショウガをのせる。
※ONE POINT トウモロコシは、熱をとり除き、湿気をとる野菜。気を補うカボチャ、温め効果のあるショウガと共に、消化器官を助けます。気を巡らせる作用のあるタマネギを加えて、巡らせるチカラもサポート!
【材料】(2人分/6個)
山芋 250g
トウモロコシ 100g
青ネギ 50g
小麦粉 大さじ3
塩 少々
七味唐辛子 適宜
【作り方】
(1) 山芋は2/3を擦りおろし、1/3は5mm角切りにする。青ネギは小口切りにする。
(2) 擦りおろした山芋にふるった小麦粉を入れてよく混ぜ、山芋の角切り、トウモロコシ、青ネギ、塩を加えて混ぜ合わせる。
(3) フライパンに油を熱したら、(2)をカレースプーンで落として広げ、両面をこんがり焼く。
(4) 器に並べたら、好みで七味唐辛子をふる。
※ONE POINT 山芋は、お腹を元気にする食材で、下痢予防にもなります。トウモロコシは、水分代謝を促します。ネギには、毛穴を開いて発汗を促す働きが。香りのいい七味唐辛子をふることで、発散作用をUP!
気を補って夏の疲れからリカバーしましょう!
【材料】(2人分)
牛肉 120g
ジャガイモ 1個
ニンジン 1/2個
ニンニク 1片
アンチョビ 1尾
片栗粉 少々
塩・コショウ 少々
オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
(1) 牛肉は細切りにし、塩・コショウで下味をつけて片栗粉をまぶす。ニンニクはみじん切りに、ジャガイモ、ニンジンは5mmの細切りにする。
(2) フライパンにオリーブオイル、ニンニクを入れて火にかけ、香がたったら牛肉を入れて炒める。色が変わったらいったん皿に上げる。(3) フライパンにオリーブオイルを入れ、ジャガイモとニンジンを炒める。しんなりしてきたらアンチョビを入れて炒め、最後に(2)を加えて炒め合わせる。
※ONE POINT 牛肉は元気をつける食材。特に足腰に良いとされるので、カラダを使ったときにオススメ。ジャガイモも胃腸を元気にしてくれます。ニンジンは『血』を補う食材。『気』『血』を補う組み合わせです。
【材料】(2人分)
大和芋 100g
鶏ささみ 1本
片栗粉 小さじ1
フォー 140g
干しシイタケ 2枚
醤油・砂糖 各小さ1/2
鶏ガラスープの元 小さじ2
ナンプラー 小さじ1/2
塩 少々
粗挽き黒コショウ 適量
ネギ 1/3本
ショウガ 1/2片
三つ葉 20g
【作り方】
(1) 鶏ささみ、大和芋、片栗粉、塩少々をフードプロセッサーにかける。
(2) 鍋に湯を沸騰させ、(1)を丸めて茹で、取り出しておく。
(3) 干しシイタケは水で戻してから薄切りに。醤油と砂糖で煮含める。
(4) フォーはぬるま湯で戻してから、好みの固さに茹でる。
(5) 鍋に水500ccを入れ、鶏ガラスープの素、ナンプラー、塩で味付けする。
(6) フォー、団子を入れて温まったら、器に盛り、ネギ、ショウガ、三つ葉をのせて、粗挽き黒コショウをたっぷりふる。
※ONE POINT 山芋は、お腹を元気にし、うるおいも与える食材。鶏肉もお腹をいたわり、滞りをとってくれます。干しシイタケは、弱った胃にオススメ。お米でできたフォーは、ソバやパスタよりお腹にやさしい麺です。ネギ、ショウガなど薬味をたっぷりのせれば、さらに消化機能をサポートしてくれます。
私の体質は、夏やつれタイプだったので、牛肉とジャガイモのアンチョビ炒めをつくってみました。なんだか、エネルギーが沸々と湧いてくるような感じ!? 定期的につくってみようと思います。岡央さんはエディターとしてのお仕事もあり、多忙を極めていることから、簡単につくれて美味しい薬膳レシピがお得意。岡央さんのご著書『美☆薬膳』(主婦と生活社)を読みながら、薬膳レシピをマスターしようと思っている秋でございます。
取材・文/美容ジャーナリスト 藤田麻弥
【プロフィール】
雑誌やWebにて、美容と健康に関する記事を執筆。化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンスのある情報を伝えるため、日本抗加齢医学会や日本香粧品学会を始め、多くの学会やセミナーを聴講。自身もアンチエイジングに関するセミナーの企画・コーディネートを務める。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研パブリッシング)がある。
【最近のハマリもの】
出張で品川駅から新幹線をよく利用します。最近、車中で食べるお弁当は、ぼそぼそしない美味しい玄米が売りの『LIVE HAYAMA』 で調達。玄米のロウ層だけを取り除いているので、玄米の栄養成分は残しつつ、白米みたいに食べやすくて美味しいのです。お店は、品川駅 高輪口にあるWing高輪店EASTの地下1階(営業時間はAM10:00~)。葉山野菜を使った料理のイートインもできます。
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