渡部 雄一(わたべ ゆういち)
若いころは朝まで飲み明かすなんて日常茶飯事。もう朝なの!?っていうくらいあっとゆう間に時間が過ぎたものだったけど、最近は夜中2時を過ぎるとどっと疲れが出て、朝まで起きていられない。
無理してオールをすると、翌日は疲労こんぱい。そんな症状、ありませんか?「最近、徹夜ができなくなったなぁ」と思ったら、それはまさしくエイジングサインです。
私たちの生活サイクルは「サーカディアン(概日)リズム」とよばれる体内時計によって支配されています。例えば、夜になると眠たくなって朝になると目が覚める、といったリズムは、誰もが実感していることだと思います。その他にも、分娩が始まりやすい時間や血圧が高くなる時間帯があることは疫学的に明らかになっていますし、喘息や脳出血の起こりやすい時間なども分かっています。
体内時計のメカニズムについては近年多くの研究が行われており、一説では加齢に伴いこのリズムに変化が起きることで、朝型の生活になるともいわれています。
まだまだ詳しいことは分かっていませんが、体内時計に逆らって無理な徹夜を続けることで、身体に不調が生じることは分かっていますので、注意が必要です。
身体が求めるリズムに逆らって、無理な徹夜を続けていると、疲労が回復されないだけでなく、頭重感、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、不安症、うつ病などの精神神経症状の他、不整脈、高血圧、低血圧などの循環器疾患、食欲低下、胃潰瘍、排便障害などの消化器疾患、糖尿病、甲状腺機能異常などの代謝内分泌疾患、月経機能異常、月経痛、精子異常症などの生殖機能障害、種々の皮膚疾患、筋肉炎、関節炎、腰痛、神経痛などの整形外科疾患など、ありとあらゆる身体機能異常の起こる可能性が増大します。
加齢とともに睡眠の質やパターンが変化していますから、それに合わせた生活サイクルをとることが大事です。また、歳とともに無理がきかなくなりますから、眠たくなったら無理をせず眠る、ストレスをためないが鉄則です。
それでも徹夜をしてしまった場合は、崩れた生活のリズムをそのままにせず、元に戻すことを心がけましょう。特に、ホルモン分泌のゴールデンタイムといわれる22:00~翌2:00の間に深い眠りについていることが、最大のアフターケアになります。夜明けの疲れた体を修復するためにも、前日にしっかり分泌できなかった成長ホルモンを最大限に分泌させるようにしましょう。
この記事の監修
渡部 雄一(わたべ ゆういち)
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