板橋 里麻(いたばし りま)
まいたけ、えのき、マッシュルーム、エリンギ……食品売場に行くとたくさんの種類が並ぶ、秋の旬素材キノコ。おいしくてローカロリーなのは、皆さんご存知かと思いますが、「食材として栄養はあるの?」との疑問も。
それに、せっかくならさらにおいしく、健康や美容に効果的な調理法で頂きたいもの。そんなキノコ活用法を、管理栄養士の板橋里麻さんに教えていただきました。
まずは、代表的なキノコに含まれている栄養素とおすすめポイントからお聞きしました。
●えのき
キノコキトサンという成分を含み、腸での脂肪吸収を阻害して吸収を抑える効果が期待できるため、ダイエットにぴったりです。
●しめじ、エリンギ、まいたけ、マッシュルーム
ビタミンB群を多く含むため、美肌効果が期待できます。
●しいたけ
ガン予防、免疫アップが期待できる成分が含まれていると言われます。
おいしく食べるコツは「洗わないこと。洗ってしまうと旨味が逃げてしまうので、汚れを拭き取る程度にしてください」と板橋さん。
さらに「グリルしたり天日干しを1日したりしてから調理すると、より旨味と香りが増します。
えのきをスープなどで使用する際は、水から入れて煮ると旨味が出やすくなりますよ」とのアドバイスもいただきました。
また、キノコ類のほとんどは秋が旬ですが、しいたけやマッシュルームは3〜5月も旬があり、エリンギは日本では大半が人工栽培のため旬がないのだそうです。
そして、美容や健康にどのような効果があるのか。
「キノコは全体的に食物繊維が多く、低カロリーなのが特徴。
ダイエット、便秘予防、LDLコレステロール値の改善などに効果が期待できます」とのこと。
それぞれ役立つ理由は下記の通り。
1. ダイエット
・ 食物繊維が満腹感を与え、食べ過ぎ防止になります。
・ 血糖値の急激な上昇を抑えてくれるため、脂肪吸収も抑えられます。
2. 便秘予防
・ 食物繊維が乳酸菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立ちます。
3. LDLコレステロール値の改善
・ 腸内でコレステロールが吸収されるのを防ぎ、直接体外に排出させる働きがあります。
・ コレステロールを原料とする胆汁酸の排出を促します。
胆汁酸が排出されると、それを補充するためにコレステロールが利用されるため、体内のコレステロールが減少するというわけです。
ローカロリーで美容に役立つだけでなく、年齢を重ねると心配になってくるコレステロール値の改善にも役立つのですね。
さらに食べ方にもポイントが。
「キノコは食物繊維が豊富なので満足感を与えますし、糖質、脂肪の吸収なども抑えてくれるので、食事の一番初めに食べると食べ過ぎ防止になります。
食べ過ぎた次の日にもおすすめ」なのだそう。
おいしい旬食材が豊富でついつい食べる量も多くなってしまう、食欲の秋。積極的にキノコを取り入れると良さそうですね。
美肌作用のあるビタミンB群の多いキノコと、抗酸化作用を持つアスタキサンチン豊富な秋鮭のグリルをご紹介。
下味をつけてグリルした食材に、バルサミコソースをかけていただくだけの、とてもシンプルで簡単なレシピ。
キノコは、グリルすることでアンチエイジングに役立つ抗酸化物質が増えるたけでなく、 香りや旨味も増してより美味しくなります。
お休みの日のブランチなどにもおすすめのワンプレートディッシュです。
【材料】 1人分
鮭 1切れ
塩こしょう 少々
白ワイン 大さじ1
まいたけ 20g
マッシュルーム 2個
えのき 20g
エリンギ 1本
*キノコ類は上記の総分量を目安に、お好みで種類をアレンジしてOK
塩、こしょう 少々
オリーブオイル 大さじ1
★バルサミコソース
バルサミコ酢 大さじ1
はちみつ 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
★付け合わせ
お好みの野菜 適量
【作り方】 1、鮭は、塩こしょうをふり、白ワインをかけて下味をつける。
まいたけは食べやすい大きさに手で裂き、マッシュルームは半分に切る。えのきは石づきを除き、食べやすい大きさに裂く。
エリンギは縦に半分に切る。
2、1の材料をすべてクッキングシートを敷いた天板に並べ、キノコには塩こしょうをふる。
全体にオリーブオイルをまわしかけ、210度のオーブンで15分焼く。
*オーブンがない場合は、オーブントースターや魚焼きグリルで代用を。
オーブントースターなら15〜20分、魚焼きグリルなら中火で10分程度焼く。
3、バルサミコソースの材料を混ぜ合わせ、器に盛り付けた2にかける。付け合わせを盛り付けて完成。
(文・川原好恵)
この記事の監修
板橋 里麻(いたばし りま)
よくある質問