お口の中が粘ついて、なんだか気持ちが悪い。ネバネバして臭そうだから、あまり人と近くで話したくない。誰しもが一度は経験するこんな思い。
今日からお口のネバネバ対策をして、爽やかでフローラルなお口を目指しましょう!
☑︎朝は最悪にネバネバ
☑︎唾液がまるで痰のよう
☑︎舌の苔がべったり!
☑︎黄色っぽい苔もついてる
☑︎ニオイもきつい
☑︎歯がザラザラ
☑︎サラサラな唾液じゃない
☑︎唾液が糸を引いてしまう
☑︎運動すると唾液が濃い!
☑︎真剣に仕事をしていると唾液がネバつく
☑︎年を取ってから余計にネバつく
などなど、このように不快な症状を感じます。どれもこれも自分にはおきて欲しくはありませんよね。知らないうちに周りの人も不快にさせているかもしれない、と考えるとゾッとするのではないでしょうか。
もし、自分が上記の症状に該当していたならば、その原因を知り、対策を講じましょう!
いつも唾液が粘つく人は、共通した習慣があります!
癖で口が開いてしまう、鼻が悪くて口呼吸になってしまう方。
口が乾燥し、唾液が濃縮されてしまいます。
専業主婦の方、デスクワークをひとり黙々とこなす方、研究職の方など。
話さないと舌は動かずに、舌下腺や顎下腺、耳下腺などの唾液腺が刺激されずに唾液が出ません。
唾液腺から唾液が出る暇もありませんので、食事中の唾液量が減ります。
唾液にはアミラーゼという炭水化物を分解する消化酵素が含まれていますので、食べた物が細かく分解されるのですが、唾液が十分に出ないと食べカスも口の中に残りやすくなります。そのカスは口腔内の雑菌の栄養素となります。
歯ブラシをほとんどしない人の口腔内最近は1兆個ほど。歯磨き習慣がある方はその10分の1、1000億個ほど。
とりわけ歯と歯の間、歯と歯茎の間、舌の表面を磨かないと粘つき、ニオイます。
歯の穴の中で雑菌が育成、増殖、ベタベタ唾液になります。
ほったらかしの虫歯は見た目だけの問題ではなくなります。
リラックスした副交感神経の優勢下ではサラサラした唾液がでます。(漿液性唾液)
しかし、交感神経が活発なときは粘稠度のたかい唾液がでます。(粘液性唾液)
唾液はいつもサラサラしていて欲しいのに、なぜこんなにベトベト、ネバネバしてしまうのでしょうか。
とりわけ空気に触れない歯と歯茎の間、歯と歯の間、舌の味蕾(みらい)の間は、嫌気性菌(けんきせいきん)という酸素がなくても生きられる菌が増えます。この嫌気性菌が増えれば苔も増えますし、唾液はべとつきます。そして、嫌気性菌の出すガスはアンモニアや硫化物などクサく臭うものが多いのです。歯間ブラシやフロスト、舌のブラッシングは欠かせません。
舌の苔は雑菌、剥離上皮細胞(口腔内の垢)、白血球の死骸で構成されます。ケアをしないと苔はどんどん厚くなり、唾液のベタつき、臭いの元になります。
就寝している、話さない、舌を動かさない、脱水症状などの時、唾液そのものが減り、粘つきます。唾液にはさらにリゾチームや、ラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、ヒステリンなど菌を殺す成分が含まれているのですが、唾液が出なければ菌を殺せず、嫌気性菌が増殖し、ベタつきます。
唾液は耳下腺、顎下腺、舌下線、その他の腺から分泌されます。年齢とともに顎下腺や舌下腺からの分泌量は減ってきますので、唾液が粘るようになります。唾液腺はぶどうの房のような形で顎や耳の周りにありますが、年を取るとこれが脂肪に変わってきてしまいます。
男性更年期はあまり唾液の減少と関係がないのですが、女性の閉経は唾液量を大きく減少させます。女性は月経にしても閉経にしても体に与える影響が劇的に変わり、女性ホルモンの影響で唾液の分泌量が変わるのです。
シェーグレン症候群などの自己免疫疾患を患っていると唾液が出にくくなります。このような具体的な病気だと病院で保険適応の人口唾液などが処方されます。
口の中は何も全てが有害な細菌ではありません。健常人の口腔内細菌の90%が無害であると言われています。ところが免疫力が落ちたり、ストレスが溜まると菌交代症となったり、いつもいる無害の常在菌が有害な雑菌へと領土を取られてしまうのです。その結果唾液がネバつき臭うようになります。
口腔内細菌には大きく二種類があります。一つは好気性菌(こうきせいきん)、もう一つは嫌気性菌(けんきせいきん)です。とりわけネバつきやニオイの元となるのは後者の嫌気性菌です。この菌は酸素がなくても生育できる強い菌で、アンモニアやインドール、硫化物、アセトンなどの『臭気ガス』を発生させます! 粘つくだけにとどまらず、周りの人にも迷惑を与えてしまう菌なのです。歯周ポケットや歯の隙間、舌の表面に生息しやすいので、重点的なケアが必要です。
■ 一日に1.5リットルほどは分泌される
■ 味わってゆっくり食べる
■ 口呼吸ではなく鼻呼吸であること
■ 歯の隙間、歯の生え際、舌がキレイ
■ 舌にうっすらと白い苔がある
■ 息が臭くない
■ 余裕のあるリラックスした人
■ 歯石がない
■ 歯周病や歯槽膿漏がない
■ 乳幼児期、小児期に口移しでものを貰わなかった人
要するに、唾液をたくさん出して、毎日隅々まで磨き、嫌気性菌を増やさない事です。
舌の苔に関しては適度な除去が大切です。磨きすぎても舌に炎症を起こし、口内炎などの原因となります。
また無菌状態にすることも健全ではありません。抗菌薬の仕様で嫌気性菌を殺すことができても、菌は更に強くなり抗菌薬に耐性を獲得するようになってしまうのです。自身の良い常在菌を増やし、良くない嫌気性菌が増える事を防ぐ事が賢明です。
ところで生まれたばかりの赤ちゃんは無菌状態ですので、お口の中に、勿論菌がいません。菌は後からたくさん嫌が応無く獲得されます。お母さんお父さんからの口移しも問題視されています。
■ リゾチーム、ペルオキシターゼなどによる口腔内の洗浄
■ ミネラルによる、歯を再石灰化
■ 口の緩衝液としてPH(酸っぱさ)を一定に保つ
■ アミラーゼという消化酵素の分泌
■ 唾液のトロミで口腔内を保護
■ 飲み込みやすさの調整
■ 味を感じさせる
■ 唾液には水分以外の成分も含まれます。
粘つきというと嫌がられますが、トロミ成分として有名はムチンが含有されるからこそ、口腔粘膜は潤いを保つことができます。またスムーズに飲み込める様に適度なトロミも付けてくれます。とりわけ舌下腺、顎下腺からトロミ成分のムチンが分泌されます。
口腔内の粘つきは悪者とされがちですが、ムチンそのものは臭くも無く、そして有害でもありません。
健康な量の唾液がきちんと分泌されているか歯科医院ではテストができます。
味の無いガムを10分間噛み、その間に分泌される唾液をピペットに集めます。この量が10cc以上あれば十分な唾液が出ていると判断します。
ガーゼを2分間、一定のリズムで噛んで、その後にガーゼにしみた唾液の量をはかります。2グラム以上増えていれば問題ありません。
唾液には、食道の内を洗浄し、中和する役割があります。さらに、胃から逆流して食道内に残った胃酸が食道粘膜を傷つけることを防ぐ働きもあります。唾液の分泌が低下してしまうと、このような働きもすべて低下して、逆流性食道炎が発症しやすくなります。
逆流性食道炎になると、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じます。また、唾液に含まれる抗菌成分が加齢とともに減少することで、細菌が繁殖しやすくなり、風邪・歯痛・歯周病などにかかりやすくなります。高齢者の場合、肺炎に至ることもあるので要注意。
基本対策は何と言っても歯磨きですが、なかなか狭いところは磨けません。本当は毎日、舌の表面、歯間、歯と歯肉の間を磨き、空気に触れなくとも育つ雑菌、嫌気性菌を取り除きたいところ。フロスだけでなく舌用のブラシなども使用して優しく磨きましょう。
酸っぱいもの、良く噛まなければならないものは唾液がたくさん出ます。梅干しやレモンなどの柑橘類、ガムや昆布などです。ただし酸っぱいものは唾液の分泌を増やしますが、口腔内のPHが下がり歯の表面が溶けやすくなります。食べた後は軽くうがいをしましょう。
唾液の95%を出してくれる大きな唾液腺は顎、耳の周りにあります。口を開けて舌を突き出したり引っ込ませたりして腺を刺激します。また、口を開けなくても、歯茎を全てなぞる様に舌を回すことでも唾液がたくさん出ます。
歯磨き粉の様なチューブに入ったものや、小さなスプレータイプのものが市販されています。カバンの中に入れることができる小さなものもあります。グリセリンやヒアルロン酸、セルロース、ベタインなどの保湿成分を含有し、数時間は効果が持続する様につくられています。また抗菌成分の茶カテキンを含むものや、口腔内の乳酸菌を増やすもの、口のPHを正常に近づけるものなどメーカーごとに特色があります。乾燥して粘つく方は一度試してみるといいでしょう。
サリグレン、エポザック、サラジェン、サリベートなどのお薬があります。全て医師の処方箋の元に出されます。これらは基本的には自己免疫疾患と呼ばれる病気によって、口がベタベタする、乾いてしまう、といった方に使用されます。飲み薬タイプやスプレータイプがあります。
また、現在東京理科大学では幹細胞レベルでの唾液腺再生が研究されています。今後の発展に期待できそうです!
唾液の分泌を助けるマッサージがあります。特に、夜寝る前にたっぷりの唾液を分泌させると、朝起きた時の口中の粘つきが軽減されるといわれています。とても簡単な方法ですので、是非試してみてください。
いつなんどきでも、爽やかでサラサラな唾液が出る様に自分にあった対策をぜひ試してみてください。あまりにも唾液がベタベタする時は病気が隠れていることもありますので医師、歯科医師に相談する事も忘れずに。
<参考資料>
口腔内バイオフィルム
ヴォート生化学
東京理科大学HP
歯科学会HP
日本訪問歯科協会HP
よくある質問