クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
浜中 聡子(はまなか さとこ)
若い頃は幅広い交友関係があったけど、退職を期にそういった付き合いがなくなった。昔のような社交性がなくなり、人づきあいが面倒に感じるようになった。
そんな変化を感じたら、加齢と伴に性格が変化してきたサインかもしれません。
子供の頃には、子どもらしい考え方や行動があり、青年になれば青年らしい考え方や行動があるように、性格は、本来もっている「その人らしさ」の他に、経験や社会的役割によってつくられる「その年代らしい性格」が合わさってできあがります。
社会的役割の変化が特に大きいのが60歳前後の年代で、定年退職や子供の自立などをきっかけに、社会的役割から解放され、自由な立場になります。この時に、趣味がなかったり、仕事を抜きにした人間関係が乏しかったりなど、プライベートの時間が少なかった人では、ライフスタイルの転換がうまく行えずに、人付き合いが急激に減ったり、内向的になったりといった変化が現れることがあります。また、退職に伴う収入の減少や身体の衰えから行動範囲が狭まることも、内向的になる原因のひとつと考えられます。
地域のボランティア活動に参加したり、趣味のサークルに入るなど、自分のペースで社会との交流をはかりましょう。家の中でも食事の片付けや部屋の掃除、庭の手入れなど、役割をもっていることが大切です。
また、高齢者にボランティアなどの就業を提供する「シルバー人材センター」という組織を利用するのもいいでしょう。人助けを通して、他者とのつながりが実感でき、自尊心が回復し、やる気が生まれるといった心の変化が期待できます。
加齢に伴う環境の変化を、「自由な時間が増えた」と肯定的にとらえ、趣味やボランティアに時間を使いながらゆったりとした生活を楽しむことが、いつまでも若々しい心でいる秘訣かもしれません。
この記事の監修
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
日本抗加齢医学会専門医/日本精神神経学会専門医・指導医
浜中 聡子(はまなか さとこ)
2000年 北里大学医学部卒業後、北里大学東病院精神神経科にて勤務
2001年 北里大学病院救命救急センターにて勤務
2002年 亀田総合病院精神科にて勤務
2006年 北里大学大学院医療系研究科 臨床医学群精神科学修了。国際医療福祉大学熱海病院精神科の講師を務める
2007年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2009年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2017年 Dクリニック東京ウィメンズ(旧ウィメンズヘルスクリニック東京)の院長に就任
2009年10月 AACクリニック銀座院長
2020年11月 クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ)院長に就任
よくある質問