篠原 一之(しのはら かずゆき)
30代前半までは、女性にも仕事にもアグレッシブだったのに、半ば過ぎくらいから、意欲は少しずつ減少していきます。草食系男子と呼ばれるほど若くはない男性陣にとって、以前のように血気盛んな自分を取り戻したいという焦りから、男らしさへのこだわりが強まることも。
しかし、更年期障害でなければ、ホルモン補充療法をするほど深刻ではないので、悶々とした日々を送るしかないのが現状。
男性にも更年期があることは周知の事実。女性ほど急激な変化はしませんが、だいたい45~55歳くらいが男性更年期のピークだといわれています。
しかし、それよりもっと前の30代半ばくらいから、テストステロンが減少している人は多いというデータも。それで、何事にも熱くなれない男性が急増中。しかし、そういった情報ばかり取り上げられるので、意欲的な男性までも不安に駆られることが多く、男らしさへのこだわりが強くなる傾向がある人も増えているようです。
年齢とともに治っていく男性が多いです。しかし、人によっては不眠やうつ、不安、意欲低下といった不定愁訴が現れることも。うつ病との鑑別診断が大事ですので、そんな場合は泌尿器科などの専門医に相談を。
30代でもテストステロンの減少が深刻な方もいますから、年齢が若いからといって油断してはいけません。
「からだエイジング」の独自調査によると、男性の中でも73%、女性においては86%が「草食系男子は増えてきている」と感じているという結果がでました。
しかし、女性の73%が「草食系男子より、肉食系男子」を好む傾向があり、男性においても、『草食系男子』と呼ばれることには抵抗を感じている人が59%でした。男女共に、「肉食系男子」を望む傾向があるようです。
では、『肉食系男子』になるにはどうしたらいいのでしょうか?『肉食系』つまり『男らしさ』を上げる方法としては、テストステロンを増加させることが効果的です。次項の対策では、テストステロンを増加させるとっても簡単な方法をご紹介しましょう。
テストステロン値を上げる方法としてよく耳にするのが「赤い下着をつける」だとか、「サッカーや、ゴルフなどグループで行うスポーツをする、または鑑賞する」「質の高い睡眠をとる」等の方法があることが、学会発表などから明らかにされています。
その中でも、面白い対策方法が「女性のフェロモンを嗅ぐ」というもの。しかし、「フェロモンってそもそもどんな匂い?」、「どこから出ているの? 効果はあるの?」と疑問に思う人も多いはず。下記は長崎大学にて実際に行われた面白い対策方法をご紹介します。
都市伝説扱いだったヒトフェロモンも、現在の研究では、実際にあることが解明されています。動物のフェロモンは、性器から発します。その印象が強いからか、ヒトフェロモンも性器から出ていると思いがち。しかし、実際には男女共に、脇の下から多く発生。
その成分には、4,16-androstadien-3-one(アンドロステダイエノン)、Estra-1,3,5(10),16-tetraen-3-ol(エストテトラエノール)等が同定されています。ヒトと動物は、やはり違うのですね。
排卵期の女性は、脇の下から多くのフェロモンを発生。これこそが、男性のテストステロンをアゲるのです。ですから、ハグをすることは、女性のフェロモンをいちばん嗅ぎやすい体勢だといえるでしょう。
長崎大学 篠原先生の実験によると、排卵期の女性に、3日間同じTシャツを着て寝てもらい、その匂いを男性に15分ほど嗅がせたところ、被験者すべての男性のテストステロンが、約30%もアップしたというのです。
元々のテストステロン数値が高い人も低い人も、一律で約30%アップしたというのは驚くべきこと!
この記事の監修
篠原 一之(しのはら かずゆき)
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