Dクリニック新宿 院長
小山 太郎(こやま たろう)
朝から気分がスッキリせずなんとなくやる気がでない。気持ちが沈んだり、怒りっぽくなったりする。今までできたことに対しても意欲がわかない、自分が急に怠け者になったように感じるが改善する気力もわかない等、病気等の原因がないのに毎日何となくだるいといった症状が続いている人は、男性ホルモンが減少し始め、男性更年期障害がはじまっているのかもしれません。
今までほとんど毎日朝勃ちしていたのに最近朝勃ちが少ない。これは男性更年期の初期症状です。朝勃ちは男性の元気度を表すバロメーターです。
朝の勃起がないと男性は徐々に活力が落ちてきて、元気がなくなってくる傾向が あるようです。まさにそれが男性更年期の兆候なのです。
最近の研究で、男性ホルモンが低下すると内臓脂肪がつきやすくなる、という報告があります。
いつもと同じ食事量なのに最近お腹が出てきたという現象が起こっている場合、男性ホルモンが低下している可能性があります。検診でメタボリック症候群と診断されたら要注意。
女性の専売特許のイメージが強い更年期障害ですが、実は男性にも更年期障害はあります。更年期障害は、ホルモンバランスの崩れが最大の原因とされますが、年をとれば男性もホルモン分泌が低下します。
男性更年期障害の原因は、男性ホルモンの「テストステロン」の減少です。テストステロンの減少は一般的に30歳ごろからはじまり、年々少しずつ減少します。女性ホルモンのエストロゲンほど急激に減少しないので、更年期障害だと気付かないままストレスを溜め込む等、状態が悪化していくことが多いようです。もともとテストステロンが多い男性は活発で上昇志向が高い人が多いため、テストステロンの減少が始まり、これまでのように活発な自分でいられなくなると敏感に反応して更年期障害が重くなるケースが多いようです。
この症状を発症しやすい年齢は、男性では仕事で活躍をする時期です。
その一方で、会社では中堅の立場として、上からのプレッシャーと下からの突き上げで精神的なタフさが必要とされます。そんな中、日常生活でストレスを解消できず自分の中にため込んでしまうと、男性ホルモンはどんどん低下していってしまいます。
男性ホルモンが低下すると、集中力や忍耐力が低下し、不安や苛立ちを感じる事が多くなります。さらに、夜眠れない、やる気が湧かない、何事にも興味がなくなる、希望が湧かない等、気分の落ち込みが激しくなり、その状態が長引くと「うつ病」になってしまうことも。
男性更年期障害は、40歳前後を目安に症状が現れてきます。社会的なストレスや加齢による男性ホルモンの減少など、この年代は特に男性更年期障害に陥りやすい要因に事欠きません。
以下の症状が起こったら、男性更年期障害を疑いましょう。
・身体的な症状
筋力が低下する
肥満傾向になる
関節が痛い
めまいや耳鳴りがする
ほてりや発汗がある
寝付けない、すぐ目が覚めてしまうなどの睡眠障害がある
・性的な症状
勃起力が低下する
リビドー(性欲)の低下
朝勃ちが少なくなる
・精神的な症状
イライラする
集中力や記憶力が低下する
うつ傾向になる
男性ホルモンの低下による種々の症状を予防するには、加齢に伴う男性ホルモンの低下への対策が必要です。その為に有酸素運動や筋トレを行う事を勧めます。有酸素運動や筋トレで男性ホルモンが増加することがわかっています。特に、太ももの筋肉のような筋肉量の多い部位を重点的に鍛えるとテストステロンが分泌されます。
すでに男性ホルモン低下による諸症状が起きている場合は、医療機関に足を運んでみましょう。注射やゲルなどでテストステロンを補なう治療によって、症状改善が期待できます。
生活習慣の見直し、改善も重要です。健康的な生活を続ければ、男性更年期障害の予防や、症状の軽減などが期待できます。
・ストレスの少ない生活を送る
・運動をする
・自分の居場所を作る
・質の高い睡眠をとる
・栄養バランスの良い食事をとる
・喫煙はしない
・飲酒はほどほどに
「薬に頼らない根本的な治療 ED治療装置・レノーヴァ」
Dクリニック東京PLUS
この記事の監修
Dクリニック新宿 院長
医学博士/日本抗加齢医学会専門医
小山 太郎(こやま たろう)
2001年 3月 慶應義塾大学 医学部 卒業
2001年 5月 慶應義塾大学病院 入職
2007年 3月 慶應義塾大学 大学院 博士課程 修了
2007年 9月 Brigham and Women's Hospital 入職
2009年10月 Dクリニック東京(旧 城西クリニック) 入職
2021年 6月 Dクリニック新宿 院長就任
よくある質問