久末 伸一(ひさすえ しんいち)
尿意を感じてトイレに行ってもなかなか排尿できず、出てくればチョロチョロ。自分より後からトイレに入ってきた若い子の方が先に用を済ませて出て行ってしまった。
トイレに行きたくて行ったのに、尿がすぐ出ない、少ししか出ない、出はじめてから時間がかかる、尿をした後もスッキリせず、残っているような感じがする。こんな症状に思い当たる人は男性特有のエイジングサイン「前立腺肥大」の可能性大。
男性に特有な臓器の一つに、前立腺があります。前立腺は、膀胱のすぐ下にある クルミ大の臓器で、精嚢(せいのう)と一緒に精液をつくる働きをしています。 ほとんどの男性は加齢にともなって前立腺が大きくなってきます。前立腺が大きく膨れると、尿道が圧迫されるため、尿道が狭くなっておしっこがスムーズに出なくなります。80代の男性では90%が前立腺肥大の組織変化がでてきます。
ちなみに、加齢に伴って出現するものに、男性型脱毛症 (AGA)があります。実は生え際から薄くなるタイプのAGAの方は前立腺肥大症となる可能性が高いことが指摘されています。生え際の後退が周りの人よりも早い人は、前立腺肥大になりやすい素質があるかもしれません。
おしっこが出にくくなってきた原因が前立腺の肥大の場合、さらに肥大が進むと下部尿路閉塞といって、尿道が完全に塞がれておしっこがでなくなってしまうかも!
前立腺肥大の主な原因は男性ホルモンですから、男性ホルモンを上げる働きのある牛乳や肉類、香辛料、ニンニクの様な食品の摂取はできるだけ避けましょう。
また、万が一前立腺肥大になってしまっても、最近はお薬での治療が可能です。前立腺肥大のお薬には、直接前立腺を小さくして排尿をスムーズにするお薬や、 男性ホルモンの働きを弱めて前立腺を小さくするといったものがあります。投薬 治療の効果がなかった場合手術をしますが、内視鏡手術などで比較的簡単に治療ができます。もしかして?と思ったら早めに専門医を受診してみましょう。
この記事の監修
久末 伸一(ひさすえ しんいち)
よくある質問