梅雨ならではのじっとりとした空気、イヤですよね。
湿気やニオイに並び、この時期の気分をダウンさせてしまうのが“カビ”。
実はこのカビ、お風呂場や窓のサッシだけの問題ではありません。何と、肌の上でも起こっていたんです!
肌にカビが発生する……考えただけでもゾッとしてしまいますが、“肌カビ”とは皮膚に潜む常在菌「マラセチア菌」のこと。マラセチア菌は真菌、つまりカビの一種で、皮脂をエサにして繁殖します。
皮脂をエサにするのはニキビでおなじみのアクネ菌と似ていますが、アクネ菌は真正細菌に属し、真菌とは異なります。だから当然ですが、肌カビにニキビケアをしても意味がありません。
「最近ニキビが治りにくいな〜」と感じていたら、そのブツブツ、もしかしたらニキビではなく肌カビのせいかもしれませんよ。
湿気と気温が高まっていく梅雨時は、汗とともに皮脂量も増加。それに伴って、皮脂をエサに増殖する肌カビも発生しやすくなります。肌カビが大量発生してしまうと、肌に刺激を与え炎症を起こし、バリア機能を低下させてしまい、さまざまな肌トラブルを引き起こします。
これが頭皮で起こればフケやかゆみに、ボディで起これば厄介な背中ニキビに、顔にできれば脂漏性皮膚炎にと、さまざまな肌トラブルになってゆくのです。
先ほども話したとおり、原因菌が異なるのでニキビ用洗顔料などはNG。抗真菌成分を配合したシャンプーや洗顔料、保湿アイテムを使うのが正解です。また、マラセチア菌のエサとなる皮脂を過剰に増やさないよう、生活習慣を見直すことも大切です。たとえば、食事。
揚げ物や肉類、甘いもの、炭水化物など、中性脂肪の多い食品や高GI食品は、皮脂分泌を増やしやすくするので控え目に。
反対に、脂質の代謝を高め、皮脂分泌を調整するビタミンC・B2・B6、食物繊維などを含む食品を積極的にとりいれるのがおすすめです。
さらに、男性ホルモンの分泌を増やす行動も皮脂分泌を促進させることになるため、睡眠不足やストレスフルな生活、シャワーだけで湯船に浸からないなど、思い当たる人は気をつけて。
家カビを放っておくと気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、肺炎など、さまざまな不調が引き起こされるのと同じように、肌カビも放置は厳禁。ニキビが治らない……そんなときは、肌カビの可能性を疑って早め早めに対処をしましょう。
(文・坂井七緒美)
参考文献
ニキビと思ったら肌カビだった!? 治療法と対策をご紹介(TREND STYLE)
http://trendstyle96.net/archives/3571
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