フットサルのような走ることの多い運動をすると、疲れるより先に膝が痛くなる。階段の上り下りをする時や立ち上がるときに膝の痛みを感じることがある。歩き始めに膝に違和感がある、などの症状がある人は、関節の軟骨が磨り減ってきているサインかもしれません。
膝には、歩く時には体重の2~3倍、走る時には体重の5~10倍もの負荷がかかるといわれています。そのため、膝は全身の中でも関節痛が最も多い部位です。
膝の痛みは、長年重い荷物を背負わされた膝のSOSともいえそうです。
私達の体は、多くの骨が組み合わさってつくられています。その骨同士をつなぐ役割をしているのが関節です。
関節には、衝撃を吸収するためのクッションとして働く「軟骨」があります。軟骨は水分やコラーゲン、プロテオグリカンなどで構成されていますが、歳をとるとこれらの成分が減少したり、軟骨自体軟らかくなって磨り減っていきます。すると、骨と骨がぶつかりあい、周囲の神経に刺激が伝わるため、痛みが発生します。
ひざが腫れる、水が溜まるなどの症状が現れる他、「変形性膝関節炎」を引き起こす可能性があります。変形性膝関節炎は女性に多くみられる疾患で、進行すると脚が変形してO脚になっていきます。また、初めは長時間歩いたり運動したりした後に痛みを感じる程度ですが、進行すると日常生活にも支障が出るほどの痛みが発生するケースもあります。
軟骨の成分であるコラーゲンやグルコサミン、コンドロイチン、プロテオグリカンを含む食品を積極的に摂取しましょう。また、これらを含むサプリメントも市販されていますから、試してみるのもよいでしょう。
●コラーゲンを多く含む食品: 鶏などの軟骨・鮭などの魚の皮・フカヒレ・スペアリブ・えび など
●グルコサミンを多く含む食品:軟骨・手羽先・えびの甲羅 など
●コンドロイチンを多く含む食品: 軟骨・納豆・山芋・フカヒレ・スッポン など
●プロテオグリカンを多く含む食品: 牛すじ・豚足 など
ひざに痛みを感じると運動を控える人が多いようですが、足の筋肉が衰えるとさらに間接に負担がかかってしまうので、運動不足は逆効果。とはいえ、ひざに負担のかかる運動もオススメはできません。
そこでオススメなのが、水泳と自転車です。これらは共にひざへの負担を最小限に足の筋肉を鍛えることができます。水泳はハードルが高いという方は、まずは自転車ででかけることから始めてみてはどうでしょう。いずれの運動も、関節の痛みがおさまってから、ゆっくりと始めましょう。
よくある質問