屋外での活動が増える夏は、虫刺されの心配が増える季節。一番身近な虫や蚊に刺された後にかゆみや赤みだけではなく、高熱が出たり、なかなか治らない深い傷ができたりすることもあります。
そんなときは、ごくまれながら、「蚊アレルギー」の可能性アリ。大人が1~2ヵ所蚊に刺された程度なら感染する可能性はとても低いけれど、子どもの虫刺され予防対策に役立ついろはを紹介します。
蚊に刺されたことが原因で強いアレルギー反応が出る疾患のことをいい、発症にはヘルペスウイルスの一種である「EBウイルス」の感染が関与しているといわれています。
EBウイルスは大人になるまでに大半の人が感染する、とても身近なもの。通常は風邪のウイルスと同様、感染しても自然に排除されますが、白血球中のリンパ球に住み着いてしまうことが。そのような持続感染状態の人が蚊に刺されたとき、過剰な反応を起こすケースも。これが蚊アレルギーの実体です。
刺された箇所がひどく腫れ、発熱やリンパ節が腫れるなどの全身症状があらわれます。また、刺された部位は血ぶくれからかさぶた、はんこん(刺された痕)に。
※全身反応を伴わない場合は蚊刺過敏症ではないとされますが、蚊に刺されて症状がひどい場合は、皮膚科医に相談しましょう。
成人で蚊刺過敏症を発症するケースはごくまれですが、体温が高く、蚊に狙われやすい【幼児期】には比較的多く見られます。
蚊に刺された後、単に赤く腫れるだけでなく、高熱を出し、水ぶくれから深い傷(潰瘍)ができて治らないといった状態を繰り返す場合は、蚊刺過敏症が疑われます。
「蚊の刺されやすさが血液型で違うのでは?」などとよく話題になりますが、蚊はどんなときに人を刺すのでしょうか? 蚊の吸血行動は複雑で、一概に「こんな人は刺されやすい」といえないようですが、以下のことがわかっています。
やはり、できるだけ「蚊に刺されないようにする」というのが基本。蚊はさまざまな病原体を媒介しているのも事実なので、慣れない旅先などで思わぬ虫刺されにあわないように気をつけましょう。
日本に生息する蚊は100種以上といわれていますが、都市の日常生活で遭遇する蚊はそれほど多くないかもしれません。とはいえ、かゆみなどの不快な症状に悩まされる、蚊アレルギーなどの思わぬ病気にかかるといったアンラッキーには遭いたくないもの。蚊よけ対策を万全にして、夏を楽しみましょう。
(文・大津礼保奈)
よくある質問