クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
浜中 聡子(はまなか さとこ)
波打つようにうねる髪。ブローしてもモワっと広がるし、雨が降ればさらに爆発! 以前はこうじゃなかったのに……という、嘆き節がそこここに。
ハリや潤いのある皮膚や髪の毛をつくる大切な働きをする女性ホルモン“エストロゲン”が20歳代後半をピークに加齢とともに減少し、女性ホルモンのバランスが崩てくると、うねる傾向に。特に、毛量が多く、髪が太い人は、その傾向が強いようです。
また、週に5日以上、アルコールを飲む人も、うねりが出やすくなります。アルコールの解毒に、ナイアシン(水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種)が大量に消費されるから。髪にナイアシンの供給が不足すると、うねりやすくなります。
首や肩がこっているのも原因のひとつ。頭皮への血行を妨げるからです。髪の栄養は血液から供給されるので、血流量が少ないと、髪をつくる毛母細胞が弱まります。すると、髪のタンパク質構造が変わり、うねることに。
うねった髪は、キューティクルの内側にあるタンパク質(コルテックス)に、水を吸いやすい部分と弾きやすい部分ができます。雨などの湿気は、その差を強調するので、うねりが大爆発!
髪は、爪や肌の角層と同じ『ケラチンタンパク質』という硬い種類のタンパク質でできています。血行が悪くなり、毛母細胞の栄養不足で髪にうねりがでてくると、爪も栄養不足になってきているかもしれません。爪に筋が入ったり、折れやすくなることも。
これから生える髪のために、うねり対策となる日常生活の知恵を伝授しましょう。
まずは、女性ホルモンの分泌を急激に減少させないためにも、上質な睡眠を。午後10時~午前2時の間に寝ていることがベストですが、それが無理なら、せめて日付が変わる前には寝床に入るよう心がけて。
髪に十分な栄養を与えるためには、1日3食、規則正しく食事を摂ってください。ダイエットのために、植物性タンパク質ばかり摂る人もいますが、それでは栄養不足になりやすいので注意。植物性タンパク質は、動物性タンパク質よりも吸収率が低いからです。肉・魚・大豆など、種類豊富に食べましょう。髪や皮膚の潤いに大切なオメガ3系オイルを多く含む亜麻仁オイル、ウォールナッツ、サーモン、さば、いわしなどを積極的にとるのも効果的です。
アルコールはほどほどに。どうしても毎日飲まなければ気が済まない人は、たらこやカツオ、粉末のインスタントコーヒーなど、ナイアシンを多く含む食品を意識して摂って。
首や肩がこっている人は、ストレッチしたりマッサージを受けたりして、頭皮の血流量を増やすことが大切。これから生えてくる髪を、ツヤのある素直な質感へと導くことで、見た目年齢は変わってきます。
また、一度うねり始めた髪は、昔のように素直な髪質には戻りにくいといわれています。今あるうねりは、カットなどでクセを活かすようなヘアスタイルにするといいですね。ブラッシングやコーミングは、毛先からとかし始め、髪がからまらないように注意してください。からまりを無理に引っぱると、髪の繊維が伸びて、うねりの原因になりますから。
この記事の監修
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
日本抗加齢医学会専門医/日本精神神経学会専門医・指導医
浜中 聡子(はまなか さとこ)
2000年 北里大学医学部卒業後、北里大学東病院精神神経科にて勤務
2001年 北里大学病院救命救急センターにて勤務
2002年 亀田総合病院精神科にて勤務
2006年 北里大学大学院医療系研究科 臨床医学群精神科学修了。国際医療福祉大学熱海病院精神科の講師を務める
2007年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2009年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2017年 Dクリニック東京ウィメンズ(旧ウィメンズヘルスクリニック東京)の院長に就任
2009年10月 AACクリニック銀座院長
2020年11月 クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ)院長に就任
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