日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
脇坂 長興(わきさか ながおき)
若い頃は3ヶ月に1回髪をカットしていたのに、最近は5~6ヶ月に1回行けば十分間に合う。前髪が一定の長さ以上に伸びなくなった。髪のボリュームが減ってきた、という人は、ヘアサイクルが乱れてきているサインかもしれません。
髪の毛は平均で約10万本生えているといわれています。このうち1日50~100本の髪の毛が自然に抜け落ち、3~4ヵ月後に再び新たな髪として生えてきます。このような毛髪成長に関わる周期は「ヘアサイクル」と呼ばれています。
ヘアサイクルは、髪の毛が太く長く伸びる「成長期」、髪の毛が抜ける準備をする「退行期」、そして髪の毛が抜けて次の新しい毛を作る準備を始める「休止期」という3つのフェーズから成り立っています。正常な状態では、成長期は約2~6年、退行期は約2週間、休止期は約3~4ヶ月あるといわれています。
しかし、頭皮環境が悪化してヘアサイクルが乱れたり、男性ホルモンが抜け毛の原因物質に変換されると、成長期が短縮し、髪が十分に成長しないまま抜けてしまうようになります。その結果、細く短い髪が増え、前髪が一定の長さ以上伸びない、というような状態が起こってしまいます。
ヘアサイクルの乱れが進むと、通常2~6年ある成長期が数ヶ月から1年程度にまで短縮してしまいます。その結果、髪の毛の量が減ったり、うぶ毛のような細くて弱々しい髪の割合が増えてしまい、薄毛の状態へと進んでしまうのです。
栄養バランスの偏った食事や、運動不足、睡眠不足、などは髪の成長を妨げますから、へアサイクルを整えたければ、まず生活のサイクルを整えることです。食生活では、良質なたんぱく質、ビタミン豊富な果物や野菜、ミネラル豊富な海藻類などの摂取を心がけましょう。
セルフケアで不安ならば、医療機関を受診しましょう。皮膚科などで、医療用の AGA (男性型脱毛症)治療薬が処方されます。また、最近では頭髪の悩みに応える頭髪専門病院も増えているので、一人で思い悩まず、気軽に足を運んでみましょう。
この記事の監修
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
脇坂 長興(わきさか ながおき)
1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。
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