日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
脇坂 長興(わきさか ながおき)
顔を洗って鏡を見た時、街を歩きながらショーウインドーに映る自分を見た時、こんなふとした瞬間に、自分に父親の面影を見ることがあります。もちろん親子ですから、似るのは当たり前ともいえるのですが……。
「最近父親に似てきたね」と言われるたびに、その視線を頭部に感じ、髪のことが気になる。周囲を見ると高齢でも髪がふさふさしている人もいるし、若くても薄毛の人がいる。
AGAは、体質同様遺伝する可能性があります。
私たちは、漠然と「AGAは遺伝する」と考えていますが、どの遺伝子が原因なのか、はっきりと解明されているわけではありません。しかし、最近、AGAの人は男性ホルモン(アンドロゲン)の受容体遺伝子に共通の特徴があるということがわかってきました。
この説が正しければ、特定のタイプのアンドロゲン受容体の遺伝子を持っていると薄毛になりやすいということになります。また、その遺伝子はX染色体という性染色体で母親から受け継がれるので、母方のおじいちゃんの頭を見れば自分の将来の髪型が予想できるのかもしれません!?
AGAは進行性の疾患です。放っておくとあなたの髪は抜けていきます。母方のおじいちゃんが薄毛だったとすれば、その状態に近づいて、父親に似てきたどころか、おじいちゃんに似てきたと言われるようになってしまうかも。
抜け毛、薄毛などのAGA症状がでても「遺伝だから仕方ない」と諦めないで!AGAの予防や治療は日々研究され進化しています。無駄な皮脂や汚れを洗う頭皮ケアと、専門医の処方する治療薬で救える毛根もあるのです。
AGAの治療は早く始めた方が効果がでやすいともいわれているので、髪の将来に不安を覚えたら、早めに専門医に相談してみましょう。
この記事の監修
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
脇坂 長興(わきさか ながおき)
1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。
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