日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
脇坂 長興(わきさか ながおき)
会話の最中、おでこをちらちら見られている気がする、去年の写真を見ると、今よりもおでこが狭い!
寝起きに枕を見ると抜け毛がたくさん付いている、ブラシに抜けた髪が多く付いている、部屋で抜けた髪をよくみかけるといった症状がある人は、思春期以降の男性におこる脱毛で、国内で約1300万人が悩んでいるといわれている男性型脱毛症(AGA)のサインかも。
皮脂腺が活発になり皮脂の分泌が盛んで、何となくいつもよりおでこがテカる、頭の臭いが変わってきたなどはAGAのサインかもしれないので要注意。またフケが異常に発生するなどの変化がAGAの初期症状のことも。
以下にあげるチェック項目で「あれ?」と、心当たりがあればあなたもAGAが始まっているのかもしれません。
チェックポイント
●抜け毛が多い
●毛が細くなった
●毛が伸びない
●地肌が透けて見える
●髪のセットがしづらくなった
●頭皮が脂っぽい
●髪が少なくなることに対する不安が大きくなった
男性は、思春期を迎えると男性ホルモンの分泌が盛んになります。男性ホルモンの代表選手はテストステロンですがこれが毛根の5α還元酵素によってジヒドロテストステロンに変換されます。
これが毛根を委縮させてしまうことでAGA(男性型脱毛症)が発症します。35歳までには約30%の男性に何らかの脱毛の症状が現れると言われています。
人によって、脱毛が進む部位は額の生え際だけの場合や頭頂部だけの場合、両方同時になど様々。脱毛の生じる時期や進行の速度にも個人差があり、20歳より前に症状が現れることもありますが、放っておくと額の生え際が後退したり頭頂部が薄くなったり、だんだんと症状は進行していき、年々髪は薄くなっていきます。
AGAの主な原因は男性ホルモンですから、男性ホルモンを増やす可能性のある牛乳や肉類、香辛料、ニンニクの様な食品の摂り過ぎは避け、野菜を多く食べる「草食系男子」として過ごしましょう。
その他に自分でできるAGA対策は、ストレスをため込まないことと生活習慣を見直すことです。悩み、不安、イライラなどを抱えていると、末梢の血流が悪化して髪を作る毛根まで栄養が行き届かなくなり、毛乳頭や毛母細胞は栄養失調状態になってしまうかも。それでは健康な髪は育ちません。毛根に栄養をたっぷりと与えるためには、ストレスを溜めず、栄養バランスの良い食事と十分な睡眠をとることが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えましょう。
頭髪、頭皮が気になり始めたら、セルフケアを始めましょう。抜け毛が多いのに気付いていないふりで何もしないでいると、AGAは必ず進行します。
セルフケアだけで不安ならば、まずは皮膚科へ。2005年からは医療用のAGA治療薬「プロぺシア®」が皮膚科などで処方されるようになっていますし、現在では頭髪の悩みに応える頭髪専門病院もあります。親も薄毛だし遺伝だから、年齢だからと諦めず、AGAかなと不安になったら早めに医療機関で相談してみましょう。
この記事の監修
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
脇坂 長興(わきさか ながおき)
1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。
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