日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
脇坂 長興(わきさか ながおき)
女性の場合、いつも髪を分けている分け目の部分が目立つようになります。明るい場所で自分の頭部を鏡に映したら頭皮が透けて見えたなんていう場面に遭遇したら、脱毛のサインかも。
男性ホルモンが主要因である男性型脱毛症と異なり、女性の脱毛症の原因は、まだはっきりと特定されていません。考えられる原因としては、ホルモンバランスの乱れや精神的ストレスの他、過度なダイエットによってたんぱく質や亜鉛のような髪の成長に必要な栄養素が欠如していることなどがあげられます。
それとは別に、女性も男性型脱毛症に発症することがあります。これを女性の男性型脱毛症と言います。原因は不規則な生活による男性ホルモンの過剰分泌や、閉経後の女性ホルモンの急激な低下によるもので、男性のように生え際から脱毛が始まります。
ただし、出産後に起こる脱毛症や、秋に起こる季節的な脱毛などは、一時的なものである場合がほとんどですから、心配はいりません。
男性の場合はAGA(男性型脱毛症)の場合が多く、脱毛はどんどん進行していきます。女性の場合はほとんどが、加齢がおもな原因の脱毛です。急激に進行はしませんが徐々に進行していきます。
髪の分け目が目立ってきたときは、生活の中でさまざまな対策をすることで、薄毛のリスクを軽減することができます。
ずっと同じヘアスタイルにしていると、髪の分け目部分が変わらないので、頭皮の同じ部分に負担がかかり続けます。定期的にヘアスタイルを変えれば毛根の負担が軽減されます。
髪をジグザグ分けにすると、髪の流れ具合が交互になるので頭皮が隠れ、髪の分け目が目立ちにくくなります。頭皮への負担も分散されるので、頭皮ケアの面でもおすすめ。髪がふんわりと立つので、ボリュームアップ見せにも有効です。
頭皮が硬くなっていると頭皮内の血流が滞り、栄養が毛根に行き渡らず、髪が健やかに育たなくなります。頭皮マッサージで頭皮をほぐし、育毛に努めましょう。マッサージは習慣化することで効果を発揮します。
髪をいたわるためのヘアケアですが、その方法が間違っていると、かえって髪や頭皮にダメージを与えかねません。正しいヘアケアを行いましょう。
・ドライヤーの熱に注意!
ドライヤーの熱は熱すぎると髪や頭皮にダメージを与えます。頭から20センチ以上離しましょう。
・整髪料をすべて洗い流す
整髪料の洗い残しは毛穴詰まりの原因になります。洗髪時には丹念に洗い、整髪料が残らないようにしましょう。
髪の毛はケラチンというタンパク質からできています。 タンパク質が不足すると、髪が細くなったり、弱って抜けやすくなるため、良質のタンパク質を食事で摂取することが育毛には欠かせません。
バランスの良い食生活のポイントは、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」!これは、ま-豆、ご-ゴマ、わ-わかめ、や-野菜、さ-魚、し-しいたけ、い-いもをあらわす言葉です。これらの食材を食卓に並べることで、髪にやさしい生活が送りましょう!
この記事の監修
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
脇坂 長興(わきさか ながおき)
1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。
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