クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
浜中 聡子(はまなか さとこ)
ある日、ふとクシャミをしたら下着がジワッと湿ってしまった…。おしっこをしたい訳ではないのに、重い荷物をもったら尿が漏れてしまった。こんな症状が現れ始めたら、それは骨盤底筋が衰え始めているサインかもしれません。
おしっこの通り道である尿道は、男性では約20cmあるのに対して、女性では4cmほどしかありません。そのため、女性では男性と比較して尿漏れが起こりやすく、実に成人女性の3~4人に1人は尿漏れを経験したことがあるといわれています。
その主な原因は、加齢に伴う「骨盤底筋」という筋肉の衰えです。女性の場合、骨盤の内側に膀胱や尿道、子宮、直腸といった臓器が収納されていますが、その骨盤の底を支えている「骨盤底筋」が加齢に伴って緩むことで、尿漏れが起こりやすくなります。
出産経験のある人や、肥満気味の人、排便時にいきむ習慣がある人では、さらに骨盤底筋の緩みが起きやすくなります。
骨盤底の筋肉がゆるむことで起こる体のトラブルは尿漏れだけではありません。臓器を支えられなくなることで子宮や腸の一部が膣から体外に出てしまう「骨盤臓器脱」に進展するケースもあります。この症状を訴える人は意外と多く、出産を経験した女性の約半数が何らかの臓器脱を経験するといわれています。
腹圧性尿失禁は、骨盤底筋を自分で鍛えることで、かなり改善できるといわれています。簡単な方法ですので、ぜひ試してみてください。
骨盤底筋に負担をかけないよう、以下のことに気をつけましょう。
[1] 排便時に力みすぎない。
[2] 腹筋の力でおしっこをだそうとしない。
[3] 体重管理をきちんと行う。
この記事の監修
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
日本抗加齢医学会専門医/日本精神神経学会専門医・指導医
浜中 聡子(はまなか さとこ)
2000年 北里大学医学部卒業後、北里大学東病院精神神経科にて勤務
2001年 北里大学病院救命救急センターにて勤務
2002年 亀田総合病院精神科にて勤務
2006年 北里大学大学院医療系研究科 臨床医学群精神科学修了。国際医療福祉大学熱海病院精神科の講師を務める
2007年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2009年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2017年 Dクリニック東京ウィメンズ(旧ウィメンズヘルスクリニック東京)の院長に就任
2009年10月 AACクリニック銀座院長
2020年11月 クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ)院長に就任
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