クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
浜中 聡子(はまなか さとこ)
更年期障害による症状には個人差がありますが、のぼせ、ほてり、発汗がその三大症状といわれています。その他、腰や手足などの冷え、関節の痛み・こり、めまい、耳鳴り、口のかわき、頻尿、失禁、慢性膀胱炎などの身体症状の他、疲労感、倦怠感、憂鬱、不眠、記憶力・判断力の低下といった精神的な症状も多く現れます。
こうした症状は特に、閉経前後の45~55歳頃に現れます。
閉経が近づき卵巣の働きが低下してくると、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が少なくなってきます。すると、卵巣をコントロールしている脳の「下垂体」という部位が、卵巣を働かせようと「性腺刺激ホルモン」を大量に分泌します。
ところが、老化した卵巣はこれ以上女性ホルモンを作ることができません。すると、脳は「まだまだ女性ホルモンが不足している」と勘違いして、さらに性腺刺激ホルモンを分泌します。こうして起こるホルモンバランスの乱れが、更年期障害の主な原因といわれています。
女性ホルモンの減少が原因で起こるのは、イライラやうつなどの精神的な症状だけではありません。閉経を迎えた女性では「骨粗しょう症」や「心臓病」の発症リスクが増加するといわれています。また、エストロゲンはコラーゲン合成にも関与しているので、閉経を迎えるとお肌の老化はいっきに加速します。無理に我慢しても、心にも体にも、いいことは何ひとつないのです。
意外と知られていませんが、更年期障害はお薬で治すことが可能です。治療法としては、不足する女性ホルモンをパッチやクリームで補う方法が一般的です。
パッチ剤を用いたホルモン補充療法(HRT)であれば、保険適用で受けることができます。これは、シップ薬のような貼り薬を腕の内側や腰に貼り、皮膚からエストロゲンとプロゲステロン補充するという方法で、日本では2種類のお薬があります。
また、最近では、個人個人で投与量をカスタマイズできるクリームでの処方も行われています。こちらは、自由診療になってしまうため少々金額は高くなってしまいますが、症状にあわせたきめ細やかな治療が可能です。
症状を緩和して、健やかに日常生活を送るためにも、もしかしたら…?と思ったら、症状が悪化する前に専門医に相談してみましょう。
この記事の監修
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長/医学博士
日本抗加齢医学会専門医/日本精神神経学会専門医・指導医
浜中 聡子(はまなか さとこ)
2000年 北里大学医学部卒業後、北里大学東病院精神神経科にて勤務
2001年 北里大学病院救命救急センターにて勤務
2002年 亀田総合病院精神科にて勤務
2006年 北里大学大学院医療系研究科 臨床医学群精神科学修了。国際医療福祉大学熱海病院精神科の講師を務める
2007年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2009年 医療法人 AACクリニック銀座の副院長に就任
2017年 Dクリニック東京ウィメンズ(旧ウィメンズヘルスクリニック東京)の院長に就任
2009年10月 AACクリニック銀座院長
2020年11月 クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ)院長に就任
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