正木 仁(まさき ひとし)
美白コスメを使い始めて、1週間から1ヵ月くらいの間に、逆にシミが濃くなったと感じる人は、6~7割もいるそうです。それで「美白コスメって効かないじゃない!」とあきらめて使用しなくなってしまう場合も……。
一般的にシミと呼ばれるものは、老人性色素斑がほとんど。“老人性”だなんて、何とも嫌な名前ですが、早い人では25歳くらいから出始めます。30歳以上のほとんど人が、大なり小なりシミを持っている様子。
紫外線などの影響でメラノサイト(表皮のいちばん下の基底層にある色素細胞)は活性化し、メラニンを産生します。通常は新陳代謝によって垢となって排出されるメラニン。しかし、加齢に伴って新陳代謝の働きが鈍ると、メラニンの生成が排出を上回ることでシミとなって溜まり、しみが目立ちやすくなり、(詳しくはコチラの記事をご覧ください)、メラニン生成を抑制させようとする美白剤の作用が効くまでに時間がかかる場合があります。
また、シミのない部分のメラノサイト活性は、シミの部分よりさほど高くはありません。顔全体に美白コスメを塗ると、まずメラノサイトの活性が低い部分から効いていきます。その色の対比により、逆にシミが濃くなったように感じる人も。
あきらめて美白ケアをやめてしまうと、今あるシミは、さらに濃くなります。また、メラノサイトの活性が低い肌も、紫外線などで活性が高まると、新しいシミが現れやすい状態に……。顔全体もくすんできます。
シミへの効果を期待するなら、美白コスメは3ヵ月から半年は使い続けましょう。これくらい経つと、濃いシミもうっすらと目立たなくなってくることが多いのです。
また、アウトドアなどで、うっかり紫外線を浴びてしまったら、3日間は徹底的に美白コスメを使って。紫外線を浴びると、①すぐ黒くなる(即時黒化) ②即時黒化が消えて赤くなる(炎症が起こる) ③3日後くらいから肌が黒くなる ④1週間後に完全に黒くなる、というプロセスを経て日焼けします。③のように、肌が黒くなるまでの3日間に美白コスメを使っていると、何もしないより黒くなりにくいのです。美白剤の多くには抗酸化作用がありますから、今からメラニンができるというときが、いちばん効果を発揮!
しかし、一生懸命美白コスメを使っても、素肌に紫外線を1時間も浴びてしまったら、今までの努力も水の泡。そうならないためにも、UVカットはしっかり塗っておきましょう。
UVカットの数値は、皮膚1センチ平方メートルあたり、2mgの量を塗って測定されています。じつはこの量、すごい盛りなのです! だから、実際には1mgも塗っていないのが現状。それでは効果も半減です。塗り残しや塗りムラを避け、十分な量を塗布するためにも、2~3回は重ね塗りをして。
日焼け止めの選び方は前記事のコチラで紹介していますが、最新情報として、
紫外線A波を防ぐ数値「PA」表示の最高レベルは「+++」(スリープラス)でしたが、2013年1月から「++++」(フォープラス)が新設されます。レジャーやスポーツなどで長時間強い紫外線に当たる時は、SPF50くらいでPA++++を選ぶといいでしょう。
身体の中から美白する食材を摂るのも、メラニンの排出を促すのに有効。L-システインは、メラニンができる前の物質、ドーパキノンと反応して、メラニンの生成を抑えます。黒くなったメラニンを無色に変換する効果も。L-システインを多く含む食材は、大豆、小麦胚芽、鶏肉、卵、ブロッコリー、柿、栗など。ビタミンCも、メラニンを還元させることで、黒色から無色に変換。L‐システインとビタミンCを一緒に摂るとより効果的です。
この記事の監修
正木 仁(まさき ひとし)
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