日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
脇坂 長興(わきさか ながおき)
顔の中でも一早く老化が現れ始めるのが目元・目の周りといわれています。目の下がたるんできた、目の下の袋が目立つ。そんな症状を感じたら、お肌がたるんできたサインかもしれません。
また、目の下の脂肪は体質的に多い人と少ない人がいて、もともと目の下の脂肪が多い人は、たるみやクマができやすい傾向があります。この傾向は特に、目が大きい人などでみられます。
目の周りの変化が始まると実際の年齢より老けて見られますから、気をつけて。
目の下のたるみは、加齢によるものを中心にいくつかの原因が考えられます。目の下のたるみの種類を説明します。
人間の皮膚は年齢を重ねると、たるみやシワが増加します。
皮膚成分のコラーゲンやヒアルロン酸が減少し、肌のハリが少なくなることが、その理由のひとつです。この現象は全身の皮膚に現れます。目の周りの皮膚も同様にハリがなくなったり、目の下やまぶたの脂肪を支えきれなくなったり、目の下のたるみが目立つようになります。
眼球の下部にあり、眼球をクッション状に支えている眼窩(がんか)脂肪も、目の下のたるみの原因になります。
加齢に伴って下まぶた周辺の皮膚や眼輪筋の力が弱くなると同時に眼窩脂肪を支える膜が弱くなると、眼窩脂肪が眼球の重みで前方に押し出されてふくらみ、目の下のたるみにつながります。
睡眠不足などで不摂生な生活や目を酷使している生活が続くと、体の新陳代謝が悪くなり、目の下にクマができるようになります。
クマができると目の下が膨らんで見えます。また、スマホを長時間見ていると、まばたきの回数が少なくなり、まぶたの筋力が衰えて目の下のたるみにつながる可能性があります。
花粉症で目がかゆかったり、目の周りのメイクを落としている時など…。人は、無意識に目をこすっているものです。
目の周囲の皮膚は薄い部分も多く、デリケートです。こすり過ぎると皮膚がのびてしまったり、ダメージによる色素沈着が起きてクマになるなど、目の下のたるみの原因になります。
目の下のたるみは、加齢に伴って眼輪筋などの目の周りの筋肉が退化し、支えられなくなった脂肪が重力に従って下へ下へと垂れていくことで起きると考えられています。さらに、血液やリンパの流れが滞り余分な脂肪や水分が排出されないと、皮下組織の脂肪層の重量が増加するため、目の下のたるみは加速してしまいます。
目の下のたるみは見た目年齢に大きな影響を与える部分です。放っておくと、くまが強調されて、老けた印象になってしまいます
目の周りの筋力を鍛えるセルフケアをご紹介します。簡単なので毎日実践して目元のたるみを撃退しましょう。
目の下のたるみを解消したい場合、専門医を受診すれば治療が可能です。最近は、気になる部分に合わせて、簡単な外科的治療も広く行われています。
目の下の余分な皮膚を切除し極細の糸で細かく縫い寄せる「目の下のたるみとり」は、入院もいらない30分程度の手術で、気になるたるみを改善することができます。
また、メスを入れることに抵抗がある場合、下まぶたの裏側にレーザーで数ミリの穴を空けて目の下の余分な脂肪を吸い出す「切らない手術」もあります。この場合、穴は小さくすぐに回復するため、糸で縫合する必要がありません。
この記事の監修
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医
日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師
脇坂 長興(わきさか ながおき)
1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。
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