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「顔にシミが!?」頬に茶色の斑点を見つけたら

「顔にシミが!?」頬に茶色の斑点を見つけたら

脇坂 長興

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医

脇坂 長興(わきさか ながおき)

症状

なかったはずのクロズミを頬に見つけた。汚れ?ホクロ?こすってみてもとれない。そんな経験、ありませんか?

それは、お肌の奥で作られたメラニンが肌に沈着して、シミになってしまったものかも。シミは日々の生活の中で徐々に現れます。できはじめのうちはなかなか気がつかず、ある日鏡を見てショックを受ける、ということも多いのではないかと思います。

シミの種類はおもに4つ。あなたの気になるシミはどれ?

老人性色素斑かも?

シミには、おもに4つの種類あります。気になっているシミがどの種類か見分ければ、対策もしやすくなります。

シミの種類(1)老人性色素斑
紫外線(UV)を浴び続けているとできる「日光黒子」は、シミの代表選手。年齢を重ねるにつれ濃くなる傾向にあるので「老人性色素斑」とも呼ばれます。褐色の色調で、顔や手、肩、上背など紫外線の当たりやすい部分に多くできます。

シミが左右非対称にぽつぽつと現れ始めている、表面が平らか軽く盛り上がっている程度、という場合は、老人性色素斑かもしれません。

シミの種類(2)雀卵斑(じゃくらんはん)
いわゆる「ソバカス」で、茶褐色の小さな斑点が鼻の周辺や頬などに多くできます。遺伝性が強く、子どもの頃から出ます。「赤毛のアン」は典型的な雀卵斑の女の子。

シミの種類(3)炎症後色素沈着
ニキビや虫刺され、かぶれなどが治った後に、色素が沈着してできる跡です。多くは自然に薄くなっていきます。いわゆる炎症の跡なので、年齢や部位に関係なくできます。

シミの種類(4)肝斑(かんぱん)
両頬に左右対称に出来ることの多い薄茶色のシミで、妊娠やストレス、更年期など女性ホルモンのバランスの乱れが影響しますが、慢性的な日焼けによって悪化することもあります。30代後半から50歳くらいの女性の顔にできやすいとされています。大きめの薄褐色のシミが「もやっと」できるのが特徴です。

原因
シミの最大の原因は紫外線!

老人性色素斑の主な原因は紫外線と考えられています。私たちがふだん浴びている紫外線にはUV-AUV-B波という2種類の光線があり、肌はそれぞれ違った反応を起こします。

UV-B波を浴びると、数時間後に皮膚が赤くなる、ヒリヒリとした痛みがでる、水ぶくれができるなど、火傷をしたような状態になり、赤みのひき始める2~3日後からメラニンが作られ始めます。

一方、UV-A波は、UV-B波を浴びた時のように赤く炎症を起こすことはなく、紫外線を浴びた直後からメラニンを産生し始めます。そして、すでにできているシミをさらに濃くする働きもします。ちなみに、日焼けサロンで使われる紫外線はこのUV-A波です。

老化した皮膚が紫外線を浴びるとメラニンが残ってしまう

私たちの肌は、直射日光を浴びると細胞を紫外線から守ろうとして、褐色のメラニンを作り出します。若いうちは活発な新陳代謝によって次々と新しい皮膚に生まれかわりますが、年をとると皮膚も老化して皮膚の代謝が悪くなるため、メラニンが皮膚に溜まり、シミが目立ちやすくなります。

皮膚の炎症による色素沈着

アレルギーなどで皮膚に炎症が起きてしまったり、ニキビ跡や虫刺され跡が残ったりすることも、シミの原因になります。

皮膚に炎症が起きると、肌を再生させようと細胞分裂が活発に起こります。その際、シミの元となるメラノサイトも同時に活性化してしまい、メラニンがつくられてしまうのです。

ぱっと見ただけではわからないくらいの炎症であっても、長い間炎症を起こしていると色素沈着してしまうことがあります。

ストレスもシミの原因に

肌への直接の刺激以外にも、シミの原因になるものがあります。ストレスは体を緊張させるため、血流が悪くなります。そうすると細胞を活性化させようとアドレナリンが分泌され、アドレナリンの分泌を持続させるため男性ホルモンが分泌されるようになります。

この際、男性ホルモン分泌の指令を出している脳下垂体の別の部位も(「中葉」という箇所)刺激され、メラニンを産生させる指令を出してしまう場合があるといいます。

さらに、ストレスは肌のターンオーバーを乱し、メラニンの排出を妨げるため、色素沈着しやすい環境がそろってしまうのです。長い間ストレスにさらされることは、シミをつくる大きな原因となってしまうということです。

ストレスもシミの原因に

 

放っておくと…
見た目年齢10歳増!?シミだらけの老け顔

何のシミ対策もせずに放っておくと、できてしまったシミはどんどん色が濃くなり、範囲が広がり、さらに新しいシミも増えていきます。シミのあるお肌では、実年齢以上に老けた印象になってしまいます。

放置しすぎると、イボのようになることも

できてしまったので仕方がない、とそのまま放置しておくと、さらに悪化していくことがあります。長い年月放置しておくと、イボのように盛り上がった「脂漏性角化症(老人性疣贅)」になってしまう可能性があります。

また、日焼け止めなどを塗らずに紫外線を浴び続けていると、うろこ状やかさぶたのような「日光角化症」という皮膚がんの前病変が発症してしまうこともあります。シミができてしまったら放っておかず、気がついたら早めに対策を取るか、皮膚科で相談しましょう。

 

対策

日焼け止めはどう選ぶ?

日焼け止めを選ぶ時には、日焼け止めの紫外線バリア効果を示す、SPFPAという数値をチェックしましょう。

SPF は、UV-B波が皮膚を赤くするまでの時間をどれだけ遅らせることができるかを示します。日に当たって15分で肌が赤くなる人がSPF20の日焼け止めを塗ると、15分×20倍=300=5時間後まで赤くなるのを遅らせることができるということです。

PAは、UV-A波に当たった肌が黒くなるのを、どれだけ防げるかを示します。PA+は、防止効果あり、PA++は、かなり防止効果あり、PA+++は非常に高い防止効果ありと、+の数が多いほど肌が黒くなるのを防ぐ効果が高くなります。

SPFPAも高ければいいかというと、そうではありません。数値が大きければ肌への負担も大きくなります。近所に買い物に行く程度の日常生活ではSPF1030PA+++で十分です。レジャーやスポーツなどで長時間強い紫外線に当たる時は、SPF50PA+++という日焼け止め効果が一番強いものを選ぶようにしましょう。さらに、ウォータープルーフ効果があれば完璧です。

ストレスを溜めない

ストレスは、シミの原因になるだけでなく、ホルモンバランスを崩して肌荒れを起こしやすくします。ストレスを溜め込まないために、バランスのいい食事と適度な運動を取り入れ、しっかりと睡眠をとることが大切です。また、趣味など自分の時間をつくることもストレス発散に効果的です。

知らず知らずのうちに積み重なっていくストレスは、百害あって一利なし。ふだんから意識して発散するよう心がけましょう。

気になるシミは皮膚科を受診

できてから時間がたってしまったシミでも、ハイドロキノンやレチノイン酸などの外用薬だけで改善が可能なことも少なくありません。また、レーザー等の治療も日々進化していますから、気になるようでしたら一度専門医に相談してみてください。

脇坂 長興

この記事の監修

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医

日本形成外科学会専門医/麻酔科標榜医/日本美容医療協会会員/特定非営利活動法人F.M.L.理事/医療法人 翠奏会理事長/聖マリアンナ医科大学幹細胞再生医学寄附講座講師

脇坂 長興(わきさか ながおき)

1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。
同大学病院の形成外科で skin rejuvenationを研究。
方法論よりも患者様が一番良くなる治療を提供することが 形成外科医の使命であると考えている。

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