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PM2.5の影響で凶悪化!? つらい花粉症の予防と治療

PM2.5の影響で凶悪化!? つらい花粉症の予防と治療

花粉症というと、四大徴候のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目の痒みが代表的ですが、症状はそれだけではありません。人によって症状はさまざまな部分にあらわれます。肌荒れや咳なども花粉症の症状です。

中でも今年はPM2.5などの影響から、花粉症に変化を生じる可能性もあると考えられているのです。「空咳」や「なんだか息苦しい」など今まであまり多くなかった危険な症状も現れているのです。

原因

PM2.5の影響+糖質過多な生活が花粉症を悪化させる!?

PM2.5の影響+糖質過多な生活が花粉症を悪化させる!?

花粉症と上手につき合うにはまず敵を知ることが大事です。

何の花粉に反応するのか、アレルギーのもとを調べる

花粉症と言っても、何の花粉に反応しているかによって時期も異なります。スギ、ヒノキ、ブタクサ、松、イネ、ヨモギなど、自分が反応している花粉は何かを医療機関できちんと調べることは必須です。

PM2.5とは

「PM2.5」という名前は、なにかの物質名からそう呼ばれているのかな? と思っている方もいる事でしょう。しかし、PM2.5のPMは微小な粒子状物質という意味で、2.5は大きさを示しています。直径が2.5マイクロメートルほどの小さな物質、という意味なのです。

髪の毛の太さと比べたら約30分の1程度の大きさ、スギ花粉でしたらだいたい12分の1程度の大きさです。この様なとてもとても小さな粒子の事を言います。

小さければ小さいほど、肺の奥にある肺胞に入ってしまい、さらには血中に入る心配があるのです。

PM2.5の作られる場所

焼却炉のある施設や、自動車からの排ガス、火山活動からもできます。とりわけ大陸にある途上国の工場などでPM2.5が発生しているのではないかと言われています。

PM2.5の量は調べられる?

環境省が地域ごとに測定量を掲載しているサイト『そらまめくん』があります。http://soramame.taiki.go.jp/
量が少ない時は青い点で、多い時は赤い点で量が表示されます。

PM2.5は花粉症とどう関係しているの?

スギがたくさん生えた山の中に暮らしていても花粉症にならない人もたくさんいます。花粉症の発生には、車の排気ガスなどに含まれる“窒素酸化物”の影響があるのではないかと言われています。窒素酸化物と花粉の物結合物を体内に吸い込むと、花粉症になる可能性が高まります。今問題になっているPM2.5は、そう考えると、花粉症の発症が高まる危険もあるのです。

また最近、本来は大きい花粉症の粒子が破壊され、小さくなっているという報告もあるようです。その細かくなった粒子が肺の奥にまで届くと、肺に炎症などのトラブルも発生してしまうことも。空咳が続くとか、息苦しさを感じたら即呼吸器の専門医を受診しましょう。

黄砂も花粉症に関係している?

■黄砂も花粉症に関係している!?

黄砂とは?

黄砂とは、中国から飛来してくる砂漠の砂です。中国大陸の内陸部にあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原といった地域の砂が、風で上空に巻き上げられます。そして、偏西風に乗って日本に飛来してくるのです。黄砂は、春に砂漠地帯の雪や凍土が溶けて砂になる毎年2月から5月に多く観測されます。

黄砂も花粉症に関係している!?

黄砂の多くは直径4μm程度の大きさで、PM2.5ではありません。しかし黄砂の一部には直径2.5μm以下のものも含まれます。そのため、黄砂が飛来する時期は、PM2.5の値が上昇するのです。

また、黄砂そのものも花粉症の症状悪化に関係している可能性があります。黄砂はガラスの様な物質やカルシウム、アルミなどといった金属元素が含まれており、その物質そのものがアレルギーを悪化させると言われています。また、黄砂には細菌やカビが多く付着し、その微生物ごと身体の中に入ってしまう事もアレルギーと関係していると考えられています。

環境省も花粉症とPM2.5の関係をうかがっている!?

環境省もHPにて、花粉症とPM2.5の関連性に注意を促しています。
明確な理由は不明としながらも、動物実験では、PM2.5 の一部であるディーゼル排気粒子が鼻アレルギー及びアレルギー性結膜炎様病態を悪化させた報告があるので、多く飛散している時には注意するように、といった内容です。実際にその飛散量は上記でも紹介した「そらまめくん」http://soramame.taiki.go.jp/ からチェックできますので、気になる方はぜひ見てみてください。

甘い物好きは花粉症を悪化させる!?

食生活も花粉症に影響します。特に問題になるのは甘い物。急激な血糖値の上昇を繰り返し続けていると、このエネルギーがアレルギー反応に利用されやすくなり、アレルギーを起こしやすくなるのです。

花粉症とは

アレルギー性鼻炎は、「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類があり、花粉症は季節性アレルギー性鼻炎に該当します。症状はともに似ており、くしゃみ・鼻水・鼻づまりをおこします。日本人の4人に1人は花粉症であると言われています。

花粉症の原因植物

花粉法はスギ花粉が原因植物として有名ですが、他にはこのような植物があります。

<春>スギ、ヒノキ、白樺
<夏>イネ科全般
<秋>ブタクサ、よもぎ

花粉症の原因植物

花粉の量を予測する!?

花粉の量は前年の夏が、どれだけ暑かったかに比例する傾向があります。
また、前年の降雨量が多いと花粉は減る傾向にあり、降雨量が少ないと花粉は増えると言われています。
そして、暖冬の場合は花粉症の始まりが早くなる傾向にあります。

風邪とどう違うの?

風邪症候群は基本的にはウイルス感染、細菌感染です。スタートの原因が違います。しかしそこからの症状はやや似ています。
風邪症候群の方は発熱が高く、またかかっている期間も短い場合があります。鼻水も細菌感染をおこし黄色や緑色になります。あまり目には症状が出ません。
花粉症の場合は熱が出ても微熱程度、症状の出ている期間は1か月以上という事もあります。鼻水は無色透明な事が一般的です。花粉所はアレルギー疾患ですので皮膚や目にも症状が出て痒みを引き起こします。

花粉症のチェック方法

■花粉症のチェック方法

☑︎決まった季節に症状が出る
☑︎通年ではない
☑︎花粉のない室内ではなんともない
☑︎鼻水は無色透明、サラサラ
☑︎目も痒い、涙が出る
☑︎クシャミが止まらない

目の症状が出たら花粉症の可能性が高くなります。
通年症状が出ている場合は、すべての季節の花粉に反応している場合もありますが、自宅で飼っているペットやダニ、ハウスダストの検査を優先して行いましょう。
鼻水も基本的にはサラサラです。黄色い場合や鼻水のカタマリが出る場合は慢性副鼻腔炎、蓄膿症、風症候群などの可能性があります。

放っておくと?

放置しても花粉症はよくなりません。治療と予防は必須です!
花粉症かもしれないのに、「まだまだ自分は違う」と認めずに頑張っている人がいますが、それは逆効果です。放っておくと症状は悪化してしまいます。

また、年齢とともに免疫力も次第に下がるので、放置は禁物なのです。まずは、症状が出たら、自己判断せずに、原因は何かを専門医できちんと診断することが大事です。特に、最近ではPM2.5の影響で肺にトラブルが起こる人もいるようです。なんだかいつもと違うという不快感を感じたら受診しましょう。

症状別、花粉症の治療

■症状別、花粉症の治療

初期治療という方法が最近とられています。花粉症の始まる2週間前から治療を行うというものです。
治療薬は組み合わせて使われることが多く、2~3種類用いられることも普通です。

2014年より開始された減感作療法(アレルゲン免疫方法)は、その名の通り免疫をつける治療法です。治療期間が2年ほどと長いので根気が必要となりますが、注目されています。

鼻の通りをよくする血管収縮薬はたくさん使うと効きが悪くなるだけでなく、鼻が詰まりやすい体質になるので注意してください。


<抗ヒスタミン薬>くしゃみ、鼻水、目の痒み

<ステロイドの吸入薬>くしゃみ、鼻水、鼻づまり

<ステロイド点眼薬>目の充血、目の痒み

<抗ロイコトリエン薬>鼻づまり、目の痒み

<血管収縮薬の吸入>鼻づまり

<減感作療法>すべての症状の方に

<漢方:小青竜湯>くしゃみ、鼻水、鼻づまり

花粉症の予防には

花粉症に悩まされる時間を少しでも減らすように、ポイントをおさえましょう!

☑︎雨の降った翌日は外出を控える
☑︎お昼過ぎ、日没も花粉が舞うので注意
☑︎花粉の飛散量を見る(環境省:はなこさんhttp://kafun.taiki.go.jp/
☑︎帰ったらすぐに洋服の花粉をはたく
☑︎洗濯は室内で乾かす
☑︎帰宅したらシャワーで花粉を流す
☑︎もちろんマスク、メガネは忘れずに

まとめ


近年では、花粉、PM2.5、黄砂と、何が原因でくしゃみや鼻水の症状が出るのか分かりませんが、大切なことはなるべくこれらから逃げる事!

そして上手に薬を使う事です。ご自身に合ったいい対策で快適な生活をお送りくださいね。

<参考資料>
・環境省_微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
・環境省_微小粒子状物質(PM2.5)に関するよくある質問(Q & A)
・2009年度秋季大会シンポジウム「東アジアの大気環境」の報告 204:402:408(黄砂:粒子状物質:アレルギー)4.黄砂と中国大都市粒子状物質の健康影響
・馬場廣太郎ほか 鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)―耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として ―
Prog. Med. 28:2001-2012,2008
・参天製薬HP

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