大倉 萬佐子(おおくら まさこ)
最近の目ヂカラメイクで女性が力を入れているのがまつげメイクです(つけまつげ、まつげエクステ、まつげパーマ、マスカラなどなど)。しかし、まつげアイテムを駆使すればするほど、もとのまつげが貧毛になってしまい、それを隠すためにさらに、まつげアイテムを強化……。そんな悪循環に陥っていませんか?
まつげエクステ、まつげパーマを施している場合、長持ちさせるために、極力まつげをこすらない、長時間水につけないことを意識している方が多いと思います。しかしそれでは、アイメイクを落としても、まつげの根元の汚れが落とせていないのです! むしろ落としたはずのアイメイクがまつげの根元に移動している、というケースも……。
まつげを清潔に保っていないと、“まつげダニ(デモデックス)”が繁殖することがあることをご存知ですか? 肉眼では見えませんが、日本でも10人に1~2人のまつげに存在していると言われています。まつげにフケ状の落屑物がある方は、まつげダニの可能性があるかもしれません。
リスクファクターとして、目の周りを洗わないような不衛生な状態の他に、犬などのペットに頬をすり寄せたりすることで移ることもあると言われています。
また、副腎皮質ステロイド剤を頻用している場合も注意が必要です。
目もとの汚れからダニが住み着いたり、雑菌が繁殖するケースもあります。ものもらいや、目の不調を感じる方は、まつげの根元を清潔にすることを心がけて欲しいですね!
上下のまつげの内側には、20~30個のマイボーム腺があります。そこは脂質を分泌して、眼の潤いを保つ働きをしています。このマイボーム腺が、詰まったり、機能不全を起こすと、涙液が蒸発しやすく、眼の潤いが低下することがあります。
また、マイボーム腺は加齢によって、機能が低下するとも言われています。さらにアイメイクが落としきれていない、まつげ強化アイテムなどによる目もとの不衛生さが、マイボーム腺の機能を低下させる原因にもなっています。このように加齢とケア不足によるダブルのダメージが、年齢を重ねた目もとに影響する可能性があるのです。
自分の肌にあったクレンジング剤をチョイスして、アイメイクをしっかり落としましょう。その際、眼の周りには低刺激のクレンジング剤を使用することがおすすめです。
加齢によって機能低下する可能性のあるマイボーム腺のケアを積極的に取り入れましょう。「リッドハイジーン」は、医師がマイボーム腺の健康を保つために患者さんに指導することもあります。
また最近では、マイボーム腺を清潔に保つアイシャンプーも開発されています。
使い方は、簡単! アイシャンプーを目もとにやさしく伸ばし、まつげの汚れを落とすように軽くマッサージします。その後、洗顔して洗い流します。
アイシャンプーの特徴
①涙と同等のphと浸透圧
②涙に含まれる保湿成分(ヒアルロン酸)など、目に優しい成分を配合
③朝の目元ケアにも使える
まつげの周辺(マイボーム線を含めた)を清潔に保つことは、元気なまつ毛を作り、まつげ美容液の効果を高める可能性も考えられます。
(但し、化粧品一般に言えることですが、アレルギー等の体質のよっては美容液等が合わない場合もあるようです。異常を感じたら直に使用を中止し医師に相談することが大切です)
時々は、目ヂカラメイクをお休みすることが、目の健康にも、またまつげの健康にもよいのです。しかし毎日キレイでいたい! 職業柄キチンとしたメイクが要求されている、アイメイクなしではメイクが決まらない、などなど。目ヂカラメイクは、必須! と思っている女性は多いもの。
そこで、目ヂカラメイク法を少し改善してみましょう。
特に改善したいのは、まつげの内側にアイラインを引く、インサイドラインです。インサイドアイライナーは、マイボーム腺のつまりの原因になりやすいので、極力避けて欲しいですね。
またアイラインも色素に気を配っているものや、お湯などで簡単に落とせるものをチョイスするのもおすすめです。
この記事の監修
大倉 萬佐子(おおくら まさこ)
よくある質問