板橋 里麻(いたばし りま)
「フカヒレを食べたからお肌がプルプル〜」そんな台詞、よく耳にしますよね。その台詞の真意は「フカヒレに肌の弾力を保つために大切な役割を果たすコラーゲンが豊富に含まれているから」というのは、皆さんよくご存知のはず。もちろんその恩恵に預かりたいのはヤマヤマですが、言うまでもなく高価なフカヒレを頻繁にいただくというのは、無理がある話。
では、コラーゲンを摂取できる食物は他にないのか、管理栄養士の板橋里麻さんに教えていただきました。
コラーゲンを含む食材の話をする前に、まずはコラーゲンの正体からおさらいしましょう。そもそもコラーゲンとはタンパク質の一種で、ヒトの体内のタンパク質の約30%はコラーゲンが占めています。肌においては表皮の下にある真皮に多く含まれており、肌の潤い、弾力、ハリを保つために大きく関わりがあります。
コラーゲンを多く含む食材としてダントツなのがフカヒレであることに間違いはありませんが、下記のようなお手頃な食材にも含まれているので、美肌を目指すのであれば、意識して摂ることをおすすめします。
鮭、ぶり、鰻、いか、秋刀魚、鶏手羽、豚足、軟骨、牛すじ、モツ
せっかくコラーゲンを多く含む食材を摂るなら、より効果的に摂取したいもの。下記のような食材を一緒に摂ることで効率がよりアップします。
(1)ビタミンCの多い食材
ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける働きがあります。
ブロッコリー、じゃがいも、ピーマン、柑橘類、キウイフルーツ、いちご
(2)ビタミンEの多い食材
ビタミンEは抗酸化作用が高いため、老化防止に役立ちます。
ナッツ、アボカド
(3)トリプトファンの多い食材
トリプトファンはコラーゲンと相性の良いアミノ酸。一緒に摂ることで有効活用されます。
肉、魚、豆類、卵、チーズ
また、せっかく積極的にコラーゲンを摂取しても、脂肪の多いものはコラーゲンを合成するホルモンを阻害する恐れがあり、糖質の多いものはコラーゲンが異常たんぱく質に変化することがあるので、要注意。
また、コラーゲンと同様、真皮に存在し、加齢と共に減少しやすいエラスチンも弾力肌を目指すなら意識したいもの。軟骨、牛すじ、鶏手羽などはコラーゲンに加えエラスチンも多く含むので、弾力肌には不可欠の食材といえそう。それらに加えてタンパク質の多い肉、魚、卵、大豆なども大切。いずれにしても、バランスの良い食生活は、美しい肌の基盤として心掛けましょう。
コラーゲンやタンパク質の多い鰻と、抗酸化作用の高いビタミンEを含むアボカドを使用したおいしい丼。老化によるコラーゲンの減少防止におすすめです。チーズには先に述べたトリプトファンというコラーゲンと相性の良いアミノ酸を多く含んでいます。
鰻のタレにバルサミコ酢をプラスすることで、さっぱりとした味つけに。食欲が落ちてしまいがちな暑い夏でも食べやすい、鰻のアレンジ丼です。
【鰻&アボカドのサラダ丼】
【材料】一人分
鰻 1/2尾
*すでに蒲焼きしてあるものを使用すると便利です。
・アボカド 1/2個
・レモン汁 少々
・クリームチーズ 10g
・お好みの葉物野菜 適量
*写真はリーフレタスと赤水菜を使用
・ごはん 1膳
・ブラックペパー 適宜
かけダレ
・鰻のたれ 大さじ1
・バルサミコ酢 大さじ1/2
【作り方】
(文・川原好恵)
この記事の監修
板橋 里麻(いたばし りま)
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