佐野 仁美(さの ひとみ)
乾燥が激しい季節になると、かかとがガサガサしたり、ひび割れて皮がむけてしまったり……。
見た目も気になるのでヤスリでゴシゴシ削ってみたものの、かかとの荒れやコチコチ具合がもっとひどくなっちゃった!という人、いませんか?
でも、角質ケアは間違うと、皮膚に傷がついたり、皮膚を守ろうとして余計に角質が硬く・厚くなったりすることも。悩みがなかなか解消せず、毎年冬になると〝コチコチかかと〟をくり返す人も少なくないのです!
かかとの角質が厚くなる一番の原因は外部刺激と乾燥です。
皮膚は外側から刺激を受けると、身を守るための防御機能として角質を厚くさせる特徴があります。かかとの角質が固くなる原因は大きく3つあります。
工事現場で働く人は固い石の上などを地下足袋で歩くため、足底の皮膚が厚く硬くなっている人が多いといいます。
工事現場で働く人以外も、足の裏やかかとは体重がかかる上に摩擦がおきやすいため、体の中でいちばん角質が厚くなってしまうのです。
また、サイズの合わない靴を履いている人は、靴の中で足が圧迫されたり、動いたりして、摩擦がくり返され(かかとがこすれて)、角質がさらに厚くなるという悪循環がくり返されている可能性があります。
また、固くなったかかと角質をケアしようと思って、削り過ぎてしまうのも皮膚には刺激になるので、実は逆効果なのです!
もともと皮脂腺がないかかとは、油分が不足して乾燥しやすい部分。そこに加齢や血行不良で皮膚細胞の代謝が低下すると、古い角質がはがれにくくなり蓄積され(角質肥厚)、かかとの乾燥がさらに進みます。
ガサガサや皮めくれがある場合、「かかと水虫」が発生している可能性が……!! 乾燥と勘違いして気づかない人も多いようです。
年齢を重ねると肌の再生力が衰えて、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が遅れがちになり、肌自身の保湿力も低下してきます。その結果、古くなった角質が蓄積され、分厚くなりカサつきが起こるのです。
サイズの合わないブーツ(底がフラット)+すべりやすいタイツのコーデは、歩くたびに靴の中で足が動き、かかとに刺激が加わるので要注意。
インソールでサイズ調節するか、靴選びを見直しましょう。ソールが硬い靴よりも、ある程度足底やさしいクッション性のある靴がよいでしょう。
(1)足湯や入浴などで角質をやわらかくします。
(2)水分をふき取ってから、軽石やかかと専用やすりで余分な角質を落とす。一度にムリに削らない。
(3)ボディクリームや尿素クリーム、馬油などをすりこみ保湿しましょう。
ほかに、血流をよくするのに、マッサージや足湯をするのも効果的です。
※注意ポイント
●入浴中、かかとが濡れた状態でやすりを使うのは避けます。皮膚を傷めてしまい、かえって角質増殖の原因になります。
●保湿のしすぎにも注意。ラップを使ったパックなどで長時間皮膚をふやけさせるとバリア機能がかえって低下してしまいます。クリームを塗布した後は通気性のいい靴下などを履きましょう。
足の裏は、1日に約1リットルもの汗をかきます。ブーツを毎日履き続けるとムレや水虫の原因に。お気に入りの靴を数足揃えて、順番に履き替えるのも一案です。
水虫を治療すれば、かかとのひび割れが治ることもあります。ケアをしてもガサガサや皮めくれがよくならない場合は、皮膚科を受診しましょう。
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この記事の監修
佐野 仁美(さの ひとみ)
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