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海里さん・メディカルチェックスタジオ院長 知久正明先生登場

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立ちくらみはなぜ起こる?

1:15

立ちくらみは病気のリスクになる?

1:55

立ちくらみは病気に繋がるサイン?

2:57

いつ立ちくらみは起こりやすい?

4:00

立ちくらみになりやすい人は?

4:19

立ちくらみの予防法は?

4:40

今回のおさらい

※YouTubeページにリンクします

立ち上がったときなどに、フラッとよろめく立ちくらみ。

低血圧ぎみな女性に多い症状というイメージがありますが、実際にはどのような原因があり、どのような健康上のリスクがあるのか。また、どのような対策をすれば治るのか。

立ちくらみの治療経験が豊富な、メディカルチェックスタジオ 院長の知久正明先生に詳しく解説してもらいました。

その立ちくらみ、脳貧血かも?

立ちくらみの多くは脳貧血が原因

まず、立ちくらみはどうして起こるのでしょうか。

知久先生によれば「立ちくらみは脳貧血のケースが多い。」と言います。

「座っているような状態から、急に立つような姿勢を取ったとき、頭部に血液を大量に送らなければいけません。しかし、心臓から頭部に十分な血液を送り込めないと、頭部に必要な血液が足りなくなり、脳貧血のような状態に陥ります。そしてフラっとするのが、立ちくらみのよくある状態です。」(知久先生)

なお、脳貧血は「起立性低血圧」とも言われます。

立ちくらみは自律神経の乱れ?

なぜ、立ち上がったときに脳貧血が起こるのでしょうか。それには、自律神経のトラブルが関わっています。

人間の体は、心臓から体に送り出す血液の量を、自律神経がバランスよく調節しています。立ち上がったときも、自律神経が血圧を上げ、頭部に血液を送り込んでいるのです。

「こういった血圧の調整は、自律神経が無意識のうちに行なっていることで、逆に言えば、自らの意思で調節することはできません。そして、自律神経がうまく機能していないと、立ちくらみのような症状が起きてしまうのです。」(知久先生)

どんな時に立ちくらみは起こりやすくなる?

立ちくらみは、長時間座っていたり、横になっていたりして、その姿勢に体が慣れていて、急激に動いた時が起きやすくなります。

また、立ち続けているような状態でも、立ちくらみが起こる場合があります。それも、自律神経の影響によるものです。

「ずっと立っていて緊張しているとき、体に自律神経が『これ以上緊張したらダメですよ』と、自律神経の副交感神経がグッと優位に立ちます。すると自律神経からの指令で血管が開き、血圧が下がってしまい、同様に脳への血液の供給が足りなくなって立ちくらみが起こるのです。」(知久先生)

立ちくらみがもたらす健康上のリスク

立ちくらみの転倒が大けがにつながることも

立ちくらみが起きやすい人には、どのような健康上のリスクがあるのでしょうか。

知久先生は「それは病気というよりも、症状として出てきます。」と、言います。

立ちくらみは自律神経の乱れからくるものなので、それ自体は決して大きな病気ではありません。

「立ちくらみを感じてフラっとしたり、急に気持ちが悪くなったりして、しゃがみ込んでしまったりする女性もいらっしゃいます。ひどいケースでは、目の前が暗くなって倒れてしまうときもあります。立ちくらみによって転倒したりすると、大けがにつながるリスクもあり得ます。」(知久先生)

立ちくらみは隠れた病気のシグナル?

立ちくらみを何度も繰り返したり、頻度が上がったりしている場合は、他の病気が隠れているシグナルの場合もあります。

「女性でもっとも多いのは、貧血でしょう。血液自体がそもそも薄く、十分な血液量を頭部に供給できないため立ちくらみを起こしやすくなります。立ちくらみは『自律神経が乱れによるもの』と説明しましたが、それはストレスが蓄積している場合や、糖尿病による神経障害が、自律神経を乱している場合もあります。」(知久先生)

さらに続けて、
「そのようなことから、女性や高齢者については特に、立ちくらみの頻度が多くなってきたときは陰に大きな病気が隠れていないか、病院での検査をお勧めします。そのときは、まずは内科を受診していただき、血液検査や血圧などを測定してから診察していただくことがよろしいかと思います。」(知久先生)

熱中症などで立ちくらみが起こることも!?

熱中症で立ちくらみが起こることも

天候や環境も、立ちくらみの原因になる場合があります。

「例えば暑い日に汗をかくと、体内の水分が不足気味になります。脱水症状になると体内の血のめぐりが悪くなり、熱中症から体調の悪化や立ちくらみが起こる可能性があります。」(知久先生)

知久先生によれば、熱中症による立ちくらみは、夏はもちろん、冬でも注意が必要とのこと。

「冬は厚着をして水分をあまり取らないので、 特に高齢者の場合、冬に室内で起こる熱中症に注意しましょう。」(知久先生)

熱中症による脱水症状の予防には、水分補給が第一です。

立ちくらみになりやすい人の特徴

立ちくらみになりやすい人には、どんな特徴があるのでしょうか。

知久先生は「自律神経が乱れている人に多く見られます」と、言います。

ではなぜ、自律神経が乱れるのか。

それには多くの場合、生活習慣の乱れが密接に関係しています。

「例えば睡眠時間が短い、有酸素運動不足である、極端なダイエットなどをしていてカロリー不足の人など、自律神経の乱れから立ちくらみを起こすリスクがあると思います。」(知久先生)

立ちくらみの予防法を知る

立ちくらみの原因の多くは、自律神経の乱れにあります。

であれば、自律神経を整えて正常に保つことが、立ちくらみ予防につながります。

自律神経を整えるには、何よりも普段きちんと運動することが第一です。

階段を登る、ストレッチ、ヨガといった、副交感神経が優位に立つようなゆっくりとした運動がおすすめです。

もちろん、適切な栄養をバランス良く摂り、質の高い睡眠を十分に取ることも大切です。

健康的な生活の基本である運動、食事、睡眠の3要素が、結局のところ重要なのです。

まとめ

立ちくらみは単に血液が脳に十分に回らないだけでなく、その背後には自律神経の乱れがあることがお分かりいただけたと思います。

また、立ちくらみの背後に何らかの病気が隠れている可能性もあります。

立ちくらみが頻発するような場合は、医者の診察を受け、適切な対策や治療を行いましょう。

知久 正明

この動画の解説者

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック 院長

医学博士

知久 正明(ちく・まさあき)

東京都出身、1994年日本大学医学部卒業、2000年日本大学医学部大学院修了

国立甲府病院、国立循環器病センター、日本大学医学部循環器内科、敬愛病院付属クリニック院長を経て、
2017年12月からMCS東京銀座クリニックを開業

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