この記事を書いた人
齋藤 薫
大昔から、何となく気づいていました。“あの日”、明らかに、顔立ちがいつもと違うこと。つまり月一回くらいのペースで、“自分の一番キレイな顔”が現れること……。そんな事はありえないと思いつつも、その日は何となく、街で感じる“人の視線”がいつもと違う気がしてならなかったもの。自意識過剰と言われるかもしれないけれど、でもいつもは感じない視線を感じる日が、ときどきやってくる……そう感じることが、年々多くなってきたのは確かなのです。
正直、20代の初めの頃は“時々”という認識しかなかった“その日”。それが、仕事もあって、いわゆる基礎体温を計るようになってから、“その日”が、“あの日”だということに次第に気づくことになるのです。
“あの日”とは、いわゆる排卵日。特定はできないので“排卵期”としておきたいと思いますが、その時期に、まず肌が美しくなることに自ら気づき、そういう変化を意識するうちに、肌だけじゃなく、顔立ちまで変わるということに気づいたのです。
言うまでもなく、生理前は“黄体期”といってホルモンバランスが崩れ、肌荒れやニキビが目立ってくるうえに、精神的にも落ち着かずイライラし、1ヵ月のうち一番“冴えない女”になることはわかっていました。逆に、排卵日には女性ホルモンの分泌が高まって、肌がキレイになることも、ひとつの常識となっていたはず。
でも、顔立ちまでが整うとは⁉ さすがにそんなことはどこにも書いていなかったから、長らく自分だけの胸にしまっておきました。自分の鏡の中だけの話として、口に出すことは一度もなかったし、証明してくれる学説などもひとつもなかったから、ずっと悶々としていたものです。
ところが10年ほど前、『ナショナル ジオ グラフィック』という海外の番組を見ていて、息を飲みました。“性”についてのさまざまな考察が具体的に語られていく中で、ある大学での研究結果が紹介されたのです。「排卵期の女性は男性を惹きつける」という仮説を証明するいくつものデータが。
それは、排卵期とそうでないときの女子大生の顔を、男子学生が“女性として評価する”というもので、ズバリ、排卵期の女性は普段より美しく魅惑的で、明らかに美人に見えるという結果が出たのです。さらにはプロポーションまでが女っぽくセクシーに見えるという評価まで。
実際、女性が歩いている姿を男子学生が眺めるという、“原始的な実験”ではありましたが、それだけに極めてリアルで説得力がある内容でした。 「まさに、コレコレ!」と興奮したのはいうまでもありません。逆になぜ今までそれを研究する学者がいなかったのか、不思議に思うほど。なぜなら、その興味深い結果に対する考察は、胸がすくほど鮮やかなものであったから。
つまり人間も多くの動物と一緒で、生殖能力が高まる排卵期には、姿形も異性の関心を惹くようなものになっていくということ。こういうときに体臭のような“目に見えないフェロモン”で、異性の気持ちを引くような生理があるのはよく知られていたけれど、見た目の形まで変わってしまうのは、まさに“神の仕業”としか言いようのないものなのです。でもそれは、“種の保存”という、地球の生物すべてが持っている使命を考えれば当然のこと。人間のオスとメスも、そこは同じということでしょう。
もちろん個人差というものはあるようで、そういう変化に全く気づかない人もいるはず。ただ少なくとも私自身は、かなり明快に感じていました。そして、改めて振り返ってみると、そういう日は確かにボーイフレンドがいつもより優しかったり、会社の上司の対応も少々違ったりした記憶があったりして……。
あなたもちょっと思い出してみてほしいのです。“一目惚れ”されたのは、ひょっとして“あの日”ではなかったでしょうか? 一方で、生理前には黄体ホルモンの影響で、誰もが“やたら怒りっぽく不機嫌な嫌な女”になるとされてきたわけで、とするならば、逆に排卵期は、“心まで優しく素直ないい女”になるということには ならないでしょうか?
言いかえれば、月に一度のそういう日にこそ、いろんなチャンスが盛り込まれているわけで、早々と家に帰ったらもったいない。あえてそういう日に合コンを当てたりするような“作為的なこと”も、女にとっては人生をかけての子孫繁栄のため。堂々と予定していいのでは?
少なくとも、女には女性ホルモンが決める“イケてる日とイケてない日”が明快にあることを、肝に銘じておくべきなのです。でないとみすみす幸せを逃すことにもなりかねない。女性ホルモン恐るべし。ホルモンの影響は、あらゆる美容を凌駕がしてしまうこと、それだけは知っておくべきなのです。
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