AGA治療薬の効果と副作用

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AGA治療薬の副作用について

まずは、AGA治療薬の副作用についてご説明します。

医薬品のため頻度は少ないが副作用はある

専門のクリニックで処方されるAGA治療薬は、市販のAGA治療薬と異なり、医薬品となります。医薬品は高い効果が期待できる反面、副作用が生じるリスクがあります。しかし、報告されている副作用は1～5%未満ですので、医師によって適切に処方されれば、副作用が生じる可能性は限りなく抑えられます。

AGA治療薬の主な副作用

AGA治療薬にはいくつかの種類がありますが、主な副作用は以下の通りです。

■性欲減退

男性ホルモンの働きを抑制するAGA治療薬を服用した場合、性的欲求が減少する可能性があります。

■ED（勃起不全）

性欲減退と同様、AGA治療薬を服用することで、ED（勃起不全）が生じる場合があります。結果として男性不妊にも繋がる恐れがありますので、妊活を行なう予定のある患者様は、事前に医師にご相談ください。

■体毛の脱毛

AGA治療薬によっては、体毛の脱毛が生じる場合があります。しかし、性欲減退や勃起機能障害と比べると、体毛の脱毛が生じる可能性は少ないです。

■初期の抜け毛

AGA治療薬を服用することで、初期脱毛が起こる場合があります。これは、ヘアサイクルが正常なものに戻っていく過程に起こりますので、薬が効いているという目安になります。そのため、過度なご心配はいりません。

【治療薬別】効果・副作用・注意点

次にAGA治療薬ごとに、効果・副作用・注意点をご説明します。

プロペシア錠

参照元：MSD株式会社

プロペシア錠（主成分：フィナステリド）の効果・副作用・服用における注意点は以下の通りです。

プロペシア錠の効果

プロペシア錠は、AGAを引き起こす還元酵素「5αリダクターゼ」の働きを阻害する、5αリダクターゼ還元酵素阻害薬です。5αリダクターゼの働きを抑えることで、悪玉男性ホルモンであるジヒドロテストステロンが生成されなくなり、脱毛を抑制・改善します。

プロペシア錠の副作用

プロペシア錠の副作用には、頭痛・胃の不快感・下痢・眠気・頻尿・勃起機能障害・精力減退・性欲減退・初期脱毛などの症状があります。
これらの副作用が起こる可能性は低いものの、ゼロではありません。体調には変化がなくとも、男性機能に不調をきたす場合がありますので、その際は服用を中止し、医師にご相談ください。

プロペシア錠服用時の注意点

プロペシア錠を服用する際に注意するポイントは4つです。

・プロペシアの主成分「フィナステリド」は、主に肝臓で代謝されます。肝臓に持病のある方は、プロペシア錠を服用し続けることで、肝機能障害が生じる可能性があります。そのため、投薬前に医師に相談するようにしてください。

・プロペシア錠を服用することで、前立腺がんの発見に有効なPSA（血清前前立腺特異抗原）検査の値を下げてしまう可能性があります。そのため、PSA検査を受ける際には、必ずプロペシア錠を服用していることを、医師に伝えてください。

・プロペシア錠は、女性男性型脱毛症（FAGA）に対する有効性が認められていません。そのため、女性に処方されることはありません。また、妊娠中の女性に投与すると、男性胎児の正常発育に悪影響を及ぼす可能性があります。皮膚からも経皮吸収される可能性があるため、誤って女性や小児が触れないように注意してください。

・プロペシア錠は、口腔内の粘膜を刺激する可能性があるので、薬剤を噛んだり、割ったりして服用しないでください。

プロペシア錠を服用できない方

・未成年
・女性

上記に当てはまる方はプロペシア錠を服用いただけません。あらかじめご了承ください。

ザガーロカプセル

参照元：ザガーロ　
 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

ザガーロカプセル（主成分：デュタステリド）の効果・副作用・服用における注意点は以下の通りです。

ガーロカプセルの効果

ザガーロカプセルも、プロペシア錠と同じく5αリダクターゼ還元酵素阻害薬です。しかし、プロペシア錠よりも血中に留まる期間が長いため、より高いAGA治療効果が見込まれます。

ザガーロカプセルの副作用

ザガーロカプセルの副作用には、勃起機能障害・射精不能・射精障害・乳房肥大・気力の低下・むくみ・体毛の脱毛・多毛症・初期脱毛などの症状があります。

医師の処方のもと薬を服用いただくと、これらの副作用の発生リスクを抑えることが期待できます。不安な点などがありましたら、どのようなことでも医師にご相談ください。

ザガーロカプセル服用時の注意点

ザガーロカプセルの服用時の注意点は、基本的にはプロペシア錠と同じです。4つの注意点を守って服用してください。

ザガーロカプセルを服用できない方

・未成年
・女性・妊婦・産婦・授乳婦等
・5α還元酵素阻害薬に対して過敏症の既往歴のある方
・重度の肝機能障害のある方

上記に当てはまる方はザガーロカプセルを服用いただけません。あらかじめご了承ください。

ミノキシジル（外用薬）

ミノキシジル（外用薬）の効果・副作用・服用における注意点は以下の通りです。

ミノキシジルの効果

ミノキシジルは外用薬のため、頭皮に直接塗布します。血流を改善することで細胞分裂を活発にし、発毛や髪の毛の成長を促す効果が期待できます。ミノキシジルはもともと、高血圧治療用の経口薬として用いられていましたが、外用によって脱毛症を改善する効果が発見されたため、現在はAGA治療にも使用されています。プロペシア錠やザガーロカプセルとの併用も可能です。

ノキシジルの副作用

ミノキシジルの副作用には、かゆみ・めまい・火照り・低血圧・多毛症・初期脱毛などの症状があります。

体質に合っていない場合、かゆみが強く出ることがあります。そのような場合は、使用を中止し、医師にご相談ください。かゆみを我慢して無理に使用を続けますと、頭皮を傷つけ、AGAをさらに進行させてしまう可能性があります。

ミノキシジル使用時の注意点

ミノキシジルを使用される際には、下記の3点にご注意ください。

・ミノキシジルには血管拡張作用があります。そのため、高血圧症・狭心症などの循環器系の疾患がある方は、必ず医師にご相談ください。

・肌が弱い方や、過去に薬で肌にアレルギー反応が生じたことのある方は、塗布する際に注意が必要です。ミノキシジルを使用する前に医師にご相談ください。

・ミノキシジルは、プロペシア錠やザガーロカプセルと異なり、女性のFAGAに対する有効性も認められています。しかし、妊娠中の服用に関する安全性は確認されていません。そのため、妊娠中や妊娠の可能性がある方も、服用は絶対に避けてください。

ミノキシジルを使用できない方

妊娠中や妊娠の可能性がある方は、ミノキシジルの使用ができません。また、下記に当てはまる患者様は、ミノキシジルの使用ができない場合もありますので、あらかじめ医師にご相談ください。

・高血圧患者の方
・低血圧患者の方
・狭心症など心臓に疾患をお持ちの方

参照元：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

副作用が起こった場合の対処法

医師の処方のもとAGA治療薬を使用した場合、副作用が生じる可能性はごくわずかです。しかし、副作用が生じた、あるいは副作用の疑いがあるのであれば、すぐに医師に相談する必要があります。身体に合っていない薬の服用を続けると、副作用が強くなる恐れがあります。

参照元：プロペシアの添付文書　
 ザガーロの添付文書

安全にAGA治療をするには

最後に、安心してAGA治療をするための重要なポイントをお伝えします。

クリニックを受診しAGA治療薬を処方してもらう

安全にAGA治療を行なうためには、必ず専門のクリニックを受診してください。専門クリニックでは、患者様の頭皮や毛髪の状態、健康状態や生活習慣などから、一人ひとりに適した治療方法・治療薬を提案します。そのため、AGA治療薬による副作用の発生リスクを抑えることができ、AGA治療を安全に行なうことができます。万が一、薬の服用によって副作用が生じても、相談できる医師がいるため安心です。

AGA治療薬を個人輸入しない

AGA治療薬によっては、インターネットなどから個人輸入が可能な場合もあります。しかし、個人輸入の治療薬を服用し、副作用や健康被害が起こったとしても、全て自己責任となります。また、医師や薬剤師でも、個人輸入の薬に対しては、十分な情報を持っておらず、副作用に対して迅速な対応ができない場合もあります。そのため、安全なAGA治療を行なうためには、必ず専門の知識を持った医師の指導のもと、患者様に適した治療薬を服用することが重要です。

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